「持っている男」がチームを救う! 大宮北の“スーパーサブ”MF平匠翔が値千金の同点弾

「今日はやっぱり最後決めてくれたので、そこがもう一番のヒーローかなと思います」。劇的勝利を収めた大宮北のキャプテン、MF児玉昌汰(2年)はそう言って殊勲のアタッカーを讃えた。

この日の「ヒーロー」となったMF平匠翔(2年)は3回戦の川口青陵戦で1-1の後半37分から出場。「まず1点が欲しかったので絶対に自分が決めに行くぞという想いで入りました」。

大宮北は延長前半3分に勝ち越し弾を奪われたが、「チームが折れないでもう1点取りに行くぞという雰囲気だったので自分もそれに乗れた」という平はその7分後、大仕事をやってのける。

「コーチが斜めの抜け出しを意識しろと言ってくれて、それを意識した」。延長前半10分、DF齋藤泰河(1年)のロングパスに抜け出すと、相手ディフェンスと競り合い、こぼれたところを押し込んで追いついた。大宮北はその後、PK戦の末に勝利。チームを救ったゴールに「マジで嬉しかったです。過去一、いままでのゴールの中で一番嬉しかったです」と笑顔で振り返った。

「ここぞという時に俺、結構決められるんです」。児玉主将も「こういう時にやってくれる。「持っている男」なので」と話す。1年生の頃から同点で迎えたラスト数分というところでゴールを重ねてきたスーパーサブの存在は、あと1勝と迫った関東予選切符を獲得するうえでも重要だ。「自分が出たことによって、チームのみんながまた「平が来て、取りに行くぞ」という想いになって、もっと点を取りに行く意志が高まったら」。その中で「持っている男」がゲームを決める。

石黒登(取材・文)