コンバート３試合目ながら安定した守備を披露。背番号10を背負う西武台の右サイドバック、西村航（３年）は選手権予選初戦となった２回戦の成徳深谷戦でチームの失点０に貢献した。

「プリンスリーグでは攻撃を意識した感じで、縦パスをつけたり、自分でカットインを見せたりっていうのを意識していたんですけど、トーナメントになって、今日は成徳というところで勢いのあるチームなので、まずは守備から入ろうということで攻撃よりは守備を意識していました」

対人や長いボールを意識しながら対面の左SB鈴木嵐（３年）の突破をストップ。守屋保監督も「正直なところ、西村と治部田（元太）が献身的に守備に徹してくれたところが安心だったなと。だからこそ、徐々に前が勢いづけた」と話し、この日のベストプレーヤーのひとりに推した。

相手のギャップに入っていくドリブルを得意とし、トップ下やサイドなど攻撃的MFが主戦場だが、昨年はボランチやサイドバックも務めるなど複数のポジションを務められるのも強み。

一方で２年生も多いチームは、攻撃的なポジションには特徴を出せる選手がいるものの、ディフェンス面がなかなか安定しなかったこともあり、「守備でリーダーシップを取れる選手」（監督）として第14節の矢板中央B戦からコンバート。本人としても「前をやりたい気持ちもあったので、ちょっと複雑な気持ちもあったんですけど、トーナメントで今年は結果を残せていないので、自分がサイドバックをやって、無失点で抑えて、前線に点を取ってもらって勝ちたい」と話す。

「サイドバックは一番チームの中で大事なポジションだと思っていて、攻撃の起点もそこで始まるし、守備においても重要なポジションだと思うので、責任をもってやりたいと思います」

自身としても高校３年間で最後の大会だ。「スタメンもベンチも、応援してくれる人も、スタッフもマネージャーも全員で全力で戦って、絶対に優勝したい」。そのためにも「チームのために」と語る背番号10の右サイドバックは２年ぶりの冬の全国出場を目指すチームを後方から支える。