花咲徳栄FW神渚紗、3試合ぶりの先発となった長身FWが起用に応える公式戦初の2ゴール!

3試合ぶりのスタメン出場となったFWが指揮官の期待以上の活躍を見せた。花咲徳栄は172cmの長身FW神渚紗(2年)が2回戦の浦和実業戦以来の先発起用で2ゴールと結果を残した。

直近2試合は工藤千愛(3年)が1トップに入った中、準決勝の本庄第一戦は神がスターティングメンバーに。「ここに来て守る意識も高くなってきた」(末貴光監督)という守備面やトップ下に入った工藤や正木佑奈(3年)、井上らら(2年)といった2列目のアタッカーを引き出すためのポストプレーヤーとしての役割を求められての出場だったが、この日は得点力も発揮した。

「コーチから「自信を持って出すから、自信を持ってプレーしてこい!」と言われたので、自分のできる最大限をやろうと思ってプレーしました。自分が前でボールを持って、身体を張って収めるということが監督、コーチから求められていることだと自分は思っているので、それをやって、味方の点や自分のゴールに繋がるプレーができればいいかなと思ってプレーしました」(神)

すると開始早々、いきなり結果を残す。前半3分、正木の左コーナーキックからの混戦となった中で「ボールが落ちてくるところを予想してそこにいることができた」。混戦の外側にポジショニングすると、こぼれ球を左足で滑り込みながら決めた。さらにその3分後には井上のクロスをニアサイドで触ってファーネットに流し込み、公式戦では初だというドッピエッタを達成した。

「正直、点が決められるとは思っていなかったんですけど、少しでもこうやって自分が点を決めてチームに貢献することができて、本当にすごい嬉しくて、結構試合中も舞い上がったところはありました」と笑顔を見せるFWに末監督も「2点はびっくりしましたね」と言って讃えた。

ゴール外でも得意とする前線からの守備やポストプレーでもチームに貢献。一方で初戦に続き、この日も前半のみの出場となるなど、体力的な部分ではまだまだ課題もある。「後半もずっと出ていたメンバーと比べると(体力面は)だいぶ劣っていると思う。前半の最後の方はスタミナが落ちて、前で引っかけることができなくなってしまったのでそこはまだまだ足りない」と話す。

とはいえ、170cm超えの身長は、ほかにはない神だけの武器。「もっと自分が競りに参加するべきだと感じていて、コーナーの時も自分がもっと中で触れば得点にも繋がると思うので、もっとそこは意識していきたい」。まだ2年生、試合経験を積みながら前線に欠かせない選手になる。

石黒登(取材・文)