令和５年度全国高等学校総合体育大会・男子サッカー競技がいよいよ７月29日から開幕。８月４日まで熱戦を繰り広げる。埼玉県代表で９大会ぶり21度目の出場となる武南は30日に行われる２回戦からの登場で、初戦は東北学院（宮城）vs金光大阪（大阪①）の勝者と対戦する。

後ろがゼロで抑えて、全国でも躍進を。武南CB小金井遥斗（３年）は身長こそ決して大きくないが、持ち前の跳躍力で県予選でも数多くの空中戦を制してきたエアファイター。攻撃の起点となるビルドアップに加え、セットプレー時の元FWらしい得点力も魅力だ。バックラインをまとめるディフェンスリーダーが初の全国に向け、意気込みを語った。（取材日は６月24日）

―９大会ぶりの全国を決めて
素直にいろんな人から「おめでとう」って言ってもらえたのはめっちゃ嬉しかったです。けど、県で優勝したところでは満足してなくて、やっぱり全国で結果残さないと、意味がないなと思っているので、 嬉しい一面、まだまだだなっていうところはあります。

―県大会を振り返って
優勝できたのは素直に嬉しいんですけど、１試合１試合を振り返ったら、市立浦和と川越東は失点してしまって、苦しい時間帯もあったし、特に川越東は失点して、その後、点を取れずになんとか勝ったという形だった。やっぱりどの試合も前線の選手は得点を取ってくれていて、なのに後ろの俺たちが失点してしまうと、チームは苦しくなってしまうので、優勝できたっていうのはいいんですけど、失点してチームが苦しくなってしまったっていうのは、俺としては課題なのかなと思ってます。

―その中でも準決勝の正智深谷戦、決勝の浦和南戦では無失点
川越東で失点して苦しかったので、絶対失点ないようにっていうのはディフェンスラインとキーパーでよく話して心掛けていたので、準決勝で無失点に抑えられたっていうのは決勝に向けて良い弾みになって、やっぱり決勝でも無失点に抑えられたっていうのは、あの歓声とか、あの緊張感の中でゼロで抑えられたっていうのは、めちゃめちゃ良いものが得られたのかなと思っています。（準決勝、決勝は）ロングボールとセットプレーが怖かったので、そこのまずファーストで、誰かが必ずファーストを返して、そこに対して必ずカバーリングをつけてっていうのを徹底して、ロングボール、セットプレーでは特に問題はなかったのかなと思っています。（初めてのNACK５スタジアム大宮ということで）緊張はしたんですけど、やっぱりメンバー外の仲間たちが応援してくれているので、緊張した一方、こいつらの分まで頑張らないとなっていう、そういう励みにもなりました。力をもらいました。

―名門・武南を背負うこと
やっぱり昔から伝統校なので、恥ずかしいプレーはできないので、ひとつひとつのプレーに責任持ってプレーしています。日頃からぬるさは絶対ないようにして、練習から雰囲気を作らないと試合も勝てないのでそのあたりも大切にしています。強い武南は全国でも優勝したりとか、決勝に行ったりとかしていたので、その舞台に俺たちが立つために、練習から気を引き締めてやらないといけないなっていうのはあります。

―全国ではどういうプレーを見せたいか
まずヘディングは、どんな相手でも負けないっていうのは意識してて、あとは攻撃に加わるビルドアップ、後ろから丁寧にボール回して、攻撃の組み立てをできればいいなと思ってるので、ヘディングと自分のビルドアップというのは見てもらえたら嬉しいなと思います。

―クラブ与野の出身。全国にはかつての仲間たちも出場する
前橋育英の山﨑勇誠（クラブ与野出身）は、帰省してきた時にはちょくちょく飯に行ったり、結構仲が良いので、お互いどれだけ成長できたのかっていうのは全国の舞台でやれたらいいなと思いますし、マッチアップしたら絶対に負けたくないですね。

―全国へ向けて意気込みを
全国は２回戦からなんですけど、まずもう２回戦から強豪しかいないと思うので、俺としては無失点で抑えて、チームは多分点を取ってくれるので、無失点で優勝まで行きたいです。

石黒登（取材・文）