「エースとして、チームをどう勝たせるか」昌平FW小田晄平が豪快ヘッドから2戦連発!

ストライカーが飛躍の予感を見せている。昌平FW小田晄平(3年)は柏レイソルU-18戦で豪快なヘディングから先制ゴール。開幕戦に続き、プレミアの舞台で2試合連続弾を記録した。

前半23分、MF前田大樹(3年)からMF土谷飛雅(3年)にバックパスが入ると、「その瞬間に相手から一瞬背後を取る状況作って、離れて、相手と距離少しできて。そこに飛雅がドンピシャのを上げられるっていう感じなので、自分はそのポジショニングだけ意識してました」。抜群の動き出しで相手DFを完璧に剥がし、ドンピシャのタイミングのヘディングで合わせた。

土谷から小田のラインは開幕戦のFC東京U-18戦に続き2戦連発。「飛雅は本当に一番最初に自分を見てくれてますし、それはもうLAVIDA時代からそうなので。そこら辺はもう感覚でやっている感じ。それはチームのひとつの武器かなと思います」とホットラインに自信を見せる。

昨年は怪我もあり、主戦場とするプリンス関東1部では1得点と不完全燃焼に終わっていた中で、今季は2戦で2得点。ゴールを積み重ねられている背景には精神的な部分も大きいという。

昨年はFC東京に入団したMF荒井悠汰という「大きな存在」がいた中で「自分はエースにも、ストライカーにもなりきれていなかった」と話す。「今年はもう自分が結果を残さないと勝てないと思ってるぐらいなので、本当にそこは自分がエースとして、チームをどう勝たせるかが大事だと思うので、そこら辺の得点の部分での責任っていうのは大きくあります」と力を込める。

一方で勝負を決め切る複数得点を奪えなかったことは課題。小田は「FC東京戦もそうでしたけど、1点目はコンビネーションというか、人との関係性で取れてますけど、それを対策された時に自分ひとりでどうやってゴールに持っていくかっていう部分はまだ足りない。そこは自分をもっと磨いていかないとダメだなと思いました」と、個での打開をキーポイントに挙げる。

小田は元来、抜け出しのタイミングや質で勝負する選手で、味方を生かし、生かされる選手。しかし、それだけでは世代最高峰の舞台で90分にわたって存在感を放ち続けることはできない。「通用する部分は本当に多い」と話すように武器の抜け出しはプレミアでも十分通用している。だからこそ「やれている状況をどうやってもっと増やすか」。そのために攻撃のバリエーションアップや、個の力で相手ブロックを破壊できるか、というのは小田にとって必要な進化だ。

そういった意味でも後押しとなりそうなのが14日にコーチ就任が発表された玉田圭司氏の存在。Jや日本代表で得点を積み重ねたストライカーに習い、さらなるスケールアップを目指す。

今年はU-17高校選抜の活動にも参加。小田自身は怪我で多くプレーすることはできなかったが、1月の高校選手権でも活躍した神村学園FW西丸道人のプレーに刺激。「道人の身体の張り方だったり、そういう部分は色々吸収できたので、自分に取り入れていきたい。道人はこの世代のナンバーワンのFWに近いですし、そこに食らいついていくっていうわけではないですけど、自分がもっと成長して、道人と張り合えるぐらいになっていきたいと思います」と話す。

「複数取らないと、勝ちきれないリーグ戦。自分が複数取って勝ちきれるようになりたい」。次節は横浜F・マリノスユース戦。複数点を取ってチームにプレミアで初の勝ち点3をもたらす。

石黒登(取材・文)