[浦和カップ]情熱の指揮官が浦和西でラストマッチ 17年にはインハイで30年ぶりの全国出場、市原雄心監督「自分を成長させてくれた」母校での15年間

情熱の指揮官が浦和西でのラストマッチ。新年度からの異動に伴い、市原雄心監督にとっては浦和カップが同校での最後の大会に。最終日は聖和学園、浦和レッズユースに敗れ、4位となったが、大会のホスト校としてしっかりと決勝トーナメントに進出するなど、役目を果たして終えた。

母校に赴任したのが15年前。最初の仕事が浦和カップだった。現在は3月末に3日間開催で行われているが、当時は4月頭の4日間開催。「浦和カップで15年前の4月2日に始まって。この大会に縁があったのかわかんないですけど、始まりも終わりも浦和カップ」と不思議な縁を語る。

予選グループは最後までもつれる展開に。最終戦は勝てば決勝トーナメント進出がかかる一戦。「ホスト校が最後駒場にいないと」と気合いを込めて臨んだ東海大相模戦はFW塙翔太(新3年)のゴールで先制すると、一時同点とされた場面もあったが、FW高原寛太(新3年)のPK弾、MF沼田稜平(新3年)のゴールで勝ち越し、市原監督就任後3度目の準決勝行きを決めた。

一方で最終日は高原が切れ味鋭いドリブルで切り込み、10番のMF小笠原駿斗(新3年)が中距離の弾丸ミドルでゴールに迫ったが、無得点に。「アタッキングサードに入ってからの質はこれからの課題。ボールも下から繋げるけど、そこから先が詰まってしまう。そこからまた変えてとか、そういうのがこれから出てこないと、相手の矢印を折ることはできないから、相手がガンガン出てきた時に結局避ける、蹴るになってしまう。そうなってしまうと苦しい状況は変わらない。そこは4月以降新しい監督にしっかりと鍛えてもらって頑張ってくれたら」と次に託した。

私立隆盛の時代で2017年度には30年ぶりのインターハイにも出場し、古豪復活をアピールした。「結果としてはめちゃめちゃすごい出たのかはわからないけど、ある程度のところまでは公立高校で西高がいま認知されるところまでは安定してきたと思う」。また、この15年を振り返り、「いろいろ自分を成長させてくれた。本当にいろいろな選手たちがいて、自分も成長するためにいろいろな選手に出会えて、そこは本当に感謝しかないですね」と語った。

「ここからさらに飛躍するために、環境が変わるということもすごく良いことだと思う。でも母校を思う気持ちは変わらない。人工芝の計画もあるので、外からもバックアップしていけたら」。新学期からは南稜の女子サッカー部を見ることになるという。新天地での活躍にも期待したい。

石黒登(取材・文)