南浦和中FW石田悠友、指揮官の喝を受けて後半2発! 悔しさバネに新ポジションで飛躍を誓う
指揮官の喝を受けて躍動。南浦和中FW石田悠友(2年)は後半精力的に動き2発を記録した。
埼玉朝鮮中との冬季大会準決勝。2トップの一角として出場した石田だったが、前半は「走ったりとか、基本的な動きというのが少なかったというのは自分でも思います」。持ち味の走力で勝てているところもあったが、30分という時間の中でその長所をうまくいかせていなかった。HTには神立朋次監督から「無駄な動きが少なすぎる。後半はもっと相手を動かせ!」と喝を受けた。
後半は「味方がパスを出しやすい位置に動いたり、自分なりに考えてもっとドリブルしやすいところで受けるように」意識的に動き出しの回数を増やし、相手DFをかく乱。その中で2ゴールと結果も出した。開始20秒、MF中川璃玖士(2年)のパスを受けて先制点を記録すると、4-1で迎えた終盤には味方からの1本のパスに抜け出す。「これはちょっと縦はきついかなと思って、切り返して、フェイントして打ちました」と冷静に相手DFを剥がし左足で流し込んだ。
喝を入れられた前半とは打って変わって後半はピッチ内で躍動。「(後半については)前半と動きも全然変えられて、得点も取れたので、まぁ良い結果だったかなと思います」と振り返っていた。
「スピードに乗ったドリブル」が武器だが、小学校時代はそれほど速さに自信は持っていなかったという。転機となったのが、中学1年の最後に経験した陸上部への仮入部だ。「先生に陸上部に行って足が速くなってこいと言われて、1個上の代の子も2人くらい来て、一緒に仮入部したんです。陸上部では足の回転というか、そういうのを速くした方がいいと先生に言われて、そこを意識しながら練習していたら速くなりました」。50mのタイムも7.9秒から7.12まで伸びた。
新人戦までは中盤やSBを主戦としていたが、県大会以降はトップでそのスピードを生かしている。「新人戦は自分自身、未熟であまりうまくいかなかったところもあって、悔しさもあったんですけど、それを逆にバネにしていまうまくいっている」。翌日行われた尾間木中との決勝戦も抜け出しから決勝弾となった先制点をマーク。悔しさをバネに新たなポジションで飛躍を誓う。
石黒登(取材・文)