武南FW杉沢旭浩「ゴールを取りたい」 得点に飢えるストライカーが県決勝で1G2A
「今日は入りから先制点が1番欲しかった。内野(慎一郎)先生にも先制点を取ってくれと言われていたので、そこで早い時間帯で先制点が取れて、それが勝因に繋がったのかなと思います」
武南FW杉沢旭浩(2年)は決勝で初スタメン。指揮官から「裏切るなよとも言われました(笑)」と話すストライカーは、見事先制点を含む3ゴールに絡む活躍で結果を残し、起用に応えた。
前半6分、MF髙橋秀太(2年)との息もぴったりな“武南ジュニアホットライン”で抜け出すと、「後ろから1枚来ていたのはわかっていたんですけど、ゴールを取りたい、先制点を取りたいという想いがあって、もうゴールしか見ていなかった」。熱い気持ちを持ちつつ、頭は冷静に。空いているファーサイドを思い切り打ち抜き、指揮官との約束を果たす先制ゴールを叩き込んだ。
さらに29分には的確なポストプレーでMF川上旺祐(2年)のゴールをアシスト。後半も11分に右クロスでMF髙橋俊祐(2年)の得点を演出するなど、この日は1ゴール、2アシストと活躍したが、「まぁ上出来……、でももうちょっと点数は欲しかったですね」。得点シーン以外にもチャンスはあっただけに、勝負を決定づける自らの2点目が奪えなかったことを悔いていた。
今大会武南は各ポジションで「競争」。最前線も今回はスタートで使われることが多かった川上&戸上和貴(2年)の“0トップ”に加え、1年生FWの大熊來瑠、この日2トップを組んだ文元一稀(2年)もいる。「本当にライバルは多い」と話すが、その中で「自分は背後への抜け出しが得意。(宮里)丞や秀太が本当に良いボールをくれるので、そこでの背後の抜け出しを増やしていきたい」。しっかりと回ってきたチャンスで持ち味を発揮してスタメン争いにアピールした。
昨年も主力を務めていたが、「去年はちょっと先輩任せみたいなところがあった」とし、「今年は自分が引っ張る気持ちでやっていきたい」と話す。その中で「ゴールを取りたい。今年は得点を目指してやっていきたい」。スタメンでも、途中出場でも「最初から全力で」を信条とし、ボールを貪欲に追うストライカーは、勝負所での決定力を上げて、チームを勝利に導ける選手になる。
石黒登(取材・文)