強力3トップを零封した尾間木中のCBコンビ 矢口大翔&渡邉虎太郎は「相手のトップに何もやらせない」、より高いレベルの守備を目指す

攻撃的なサッカーを展開し、9年ぶり2度目の新人戦Vを飾った尾間木中。髙橋淳監督が試合後、MVPに挙げたのは前目の選手ではなく、後ろの2枚だった。矢口大翔&渡邉虎太郎(ともに2年)のCBコンビはよくコミュニケーションを取りつつ、相手の3トップを押さえ込んだ

新座第二中は技術力とスピードある3トップをポイントとしたダイナミックなアタックが売りのチーム。特に警戒していたのが攻撃の核であるFW小野寺快斗(2年)へのディフェンスだ。

渡邉は「前回戦った時に0-2で負けて、その負けの要因が23番(小野寺)を離してしまったことだった」と話す。この日は「前半はちょっと離した」と言うが、マンツーマンに切り替えた後半はうまく受け渡ししながら守備。「何回も抜かれてカバーに助けられたりもあったんですけど、しっかりついて、パスカットして、身体を当てて倒して取ってみたいな感じを意識していた」。矢口はCBのフィードにも警戒しつつ、「まず走りで負けないことと、あと一発で行かないこと」を意識。テクニカルな相手に対し不用意に飛び込まず、距離を取ってフェイントに対応した。

互いに積極的に言葉を交わしながら、チャレンジ&カバーを繰り返し、決勝は零封勝利に貢献。髙橋監督も「今日は本当によくしゃべってやっていたかなと思います」と2人をMVPに推していた。

矢口も「自分たちの中でもよくできたかなと思います」とした一方で、「……けど自分の中でちょっと納得がいかないプレーが何個かあった」。落下点の目測を誤った場面やクリアミスを悔やむ。渡邉も「自己評価は10点中6点くらい」とし、「この4点の差はしっかりとしたクリアだったり、しっかり前にヘディングしたり、ドリブルで抜かれないようにしたい」と反省を口にした。

少ないミスもなくし、より強固な守備ラインに。渡邉は「これからは全部勝つを意識して、もう相手のトップに何もやらせないように、しっかりポジション取りを意識したい」と意気込み。学総での2冠、そしてその先、関東、全国で勝っていくためにCBコンビはさらなる成長を目指す。

石黒登(取材・文)