全国高等学校サッカー選手権埼玉県2次予選が明日開幕

いよいよ明日14日より選手権予選2次トーナメントが開幕する。1次予選を勝ち抜いた27校に、シード校25校を加えた計52チームが全国を目指して今年最後の戦いに挑む。

やはり本命は昌平高校だろう。全国制覇を狙ったインターハイでは日大藤沢高校(神奈川県)に敗れて2回戦敗退と悔しい結果に終わったが、今季は県内タイトル3冠(新人大会、関東予選、総体予選)に加えて関東大会を初制覇。現在所属するS1リーグでも残り2試合を残してトップに立っており、目標とする「県内5冠」達成も現実味を帯びてきている。

中盤の舵を取るMF山下勇希を中心に、トップには大宮アルディージャ内定を決めたFW佐相壱明、また石井優輝、関根浩平のCBコンビ、そして守護神の緑川光希とセンターラインは経験・実力ともに十分。全国(インターハイ)での借りを全国(選手権)で返すべく大会にかける想いは強い。3年ぶり2度目の優勝を狙う昌平は10月28日の3回戦から登場する。

同じく3回戦から登場するのが浦和西高校だ。30年ぶりの全国大会出場を果たした今夏のインターハイではFW遠藤寛紀らを中心に、相手の背後に起点を作るサッカーで目標としていた「全国1勝」を達成。冬から取り組んできたスタイルの集大成として挑んだ大舞台での経験を経て、選手権予選では果たしてどのようなサッカーを見せてくれるのか注目したい。

また4年目の森山泰行監督の下、FC東京の特別指定選手としてすでにJ3デビューを飾っているFW田中和樹、その田中とヴェルディ小山時代からコンビを組むFW齋藤雅之など、攻撃的なタレントを揃える浦和学院高校も楽しみなチームのひとつ。昨年大会準優勝の浦和南高校、関東予選4強の狭山ヶ丘高校の勝者と対戦する2回戦は序盤戦最大の見所だ。

昨年は3度目の挑戦で全国選手権ベスト8進出、県大会3連覇を目論む王者・正智深谷高校はエースでキャプテンのFW梶谷政仁の出来が勝負の鍵を握ってくるだろう。“裏選手権”こと年初のニューバランスカップを制した西武台高校は、現大宮アルディージャのFW清水慎太郎を擁した2010年大会以来の選手権出場を目指す。ちなみに今年県内公式戦でただ2チーム、昌平に土をつけているのが正智深谷と西武台。2校は15日の2回戦からの出場となる。

その他、過去14度の選手権出場を誇る武南高校と市立浦和高校、高校総体予選では昌平をあと一歩のところまで追い詰めた埼玉栄高校、返り咲きを狙う浦和東高校に加えて、1次トーナメント突破組では昨年大会で初のベスト8に進出した埼玉平成高校なども面白い存在だ。

本命か王者か、はたまた古豪か新鋭か……。今年はどこが1枚しかない選手権切符を手にするのか。準々決勝は4日、5日に浦和駒場スタジアムで、準決勝は12日にNack5スタジアム大宮にて行われ、11月19日の決勝は埼玉スタジアムで14時5分にキックオフする。

石黒登(文)