相方への競争心でゴールゲッターとしての才能が開花! 昌平CB津久井佳祐は「得点王を狙いたい」と意欲も

「初戦で固さもある状況でもしっかり対応出来るとか、うまくいかない中でもちょっと修正点はありますけども、津久井がいるっていうのは結構大きいのかなと思います」(藤島崇之監督)

4年ぶりとなるインターハイに出場している昌平。いまいるほとんどの選手にとって初の全国となる中で1回戦の生駒戦では立ち上がりに固さもあったが、その中でも藤島崇之監督も絶大な信頼を置くキャプテン、DF津久井佳祐(3年)がチームに大きな安心感をもたらしていた。

守備はもちろん、2-0で迎えた後半15分にはゴールもゲット。MF土谷飛雅(3年)の左CKに身体を捻りながらヘディングで突き刺し、勝利を大きく手繰り寄せるチーム3点目を奪った。

「あれは練習していた通り。自分が決めることで盛り上がりますし、良かったかなと思います。高校に入って初めての全国の試合で点を取れたというのはすごい気持ち良いですし、嬉しい」

実は津久井はここ最近、セットプレーからゴールを量産している。7月3日に行われたプリンスリーグ関東1部第8節・鹿島アントラーズ戦、1-1で迎えた後半5分にコーナーキックをヘディングで運んで決勝ゴールをマークすると、これが昌平に入学してから公式戦初ゴールだった。

さらに翌週の第9節・流通経済大柏B戦でもセットプレーから今度はボレーで決めている。そしてこの日のゴールと、初弾から1ヶ月で3得点を記録し、昌平の貴重な得点源となっている。

なぜ、急にゴールゲッターとしての才能が開花したのか。そこには相方の存在があったようだ。

「(石川)穂高が点を取り出してすごい悔しかった。負けないという気持ちでやっています」

CBでコンビを組む石川穂高(2年)も今季はプリンスリーグ関東や県予選でゴールを積み重ねる。隣にいるライバルとの競争心が得点力開花の原動力となっている。そのゴールへの欲も日々強まっているといい、この日も「試合の前には普通に点を取ることしか考えていなかった」。そして「やっぱり得点王を狙いたいので」と、DFとしては異例の得点王奪取に意欲を燃やした。

石黒登(取材・文)