“逆張り”で逆境から2本のPK阻止。新座二の実力派GK佐藤晴翔「みんなで笑顔で写真を撮れたのが良かった」/中体連学総県大会1回戦

令和3年度県学校総合体育大会が17日に開幕し、新座第二中が与野東中をPK戦の末に下した。

新座第二は前半11分、一瞬の隙を突いてFW新田陽大(3年)が抜け出しネットに突き刺して先制。その後もMF工藤樹(3年)が起点となり、27分にも新田のランからチャンスを作る。

一方、入りは悪くなかったものの、先制を許した与野東も前半ラストプレーで同点に追いつく。FW渡邉煌(3年)のスルーパスに走り込んだFW市川裕尋(2年)のシュートは一度キーパーに防がれたが、こぼれ球をDF草浦快成(3年)が右足で蹴り込んで1-1で前半を終えた。

後半も一進一退の攻防となる中で終盤に両チームともに決定機を迎えたが、新座第二GK佐藤晴翔(3年)、与野東GK阿久津爽太(3年)と両守護神が好セーブ。与野東はさらにコーナーキックのこぼれ球を途中出場のFW長尾優希(2年)が放ったシュートがクロスバーに嫌われた。

その後突入したPK戦は7人目までもつれた中で新座第二が5-4で制し、接戦をものにした。

新座第二・髙橋立監督は「やっぱり初戦はすごく固いので、その中で勝ちきってくれたのは良かった。今日はキーパーや全員が最後に頑張ってくれた」と難しい初戦を勝ちきったことを評価。一方で「フィニッシュのところはゴール前まで行けて、最後決めきれないとなるとその後のカウンターもありますし、決めるべきところをしっかりと決めるところは課題かなと思います」。もともと1年生の時から足下の技術は高かった代なだけに、最後のところの精度を課題に挙げた。

“逆張り”で逆境から2本のPK阻止。新座二の実力派GK佐藤晴翔「みんなで笑顔で写真を撮れたのが良かった」

「地区の決勝の立教新座中戦(0-0、PK4-2)でもPKだったんです。それでPKには慣れているというか、止めて優勝したので、それを思い出しながらPKに臨みました」。新座第二は予選から2戦連続のPK戦となった中で、守護神・佐藤晴翔(3年)が再び大仕事をやってのけた。

先に味方が外す苦しい展開だったが、「チームのために絶対に止めてやるという気持ちが高かった」。1、2本目は読みと逆方向だったこともあり、「3本目はそのまた逆に来るだろうなと」あえて“逆張り”。3本目で手に当てると、4本目は右に飛んで今度はセーブしガッツポーズを決めた。

しかし直後に5本目を味方が失敗。再びビハインドの状況となった中で佐藤も「一番緊張した」と振り返ったが、「泣いている仲間のために、全力で、その1本を大切に止める」という強い気持ちを持って臨んだ勝負の1本をしっかりと左に飛んで止めてまたしてもチームの危機を救った。その後7本目までもつれ込んだ中で、迎えた後攻の相手のシュートは枠外に外れたものの、右という読みは的中。3本目以降はすべて“逆張り”で臨んだ中でその作戦がうまくはまった。

佐藤は南部のトレセンやGKトレセンの県の選考会にも参加する実力派のキーパー。セービングやフィードに加え、ハイボールの処理も得意としていて、この日も「コーナーキックとかのハイボールはすべて触ることが出来た」。今年は副部長を務めており、この試合ではキャプテンマークを巻いた。「技術に加えて、気持ちや自覚も出てきた」と指揮官も精神面での成長を認める。

佐藤は「U-13とか新人戦とか、負けてしまって笑顔で写真を撮れなかった。でも今日勝って、みんなで笑顔で写真が撮れたというのが一番良かったです」と試合後の集合写真を笑顔で撮れたことを何より喜んでいた。さらに笑顔の写真を増やしていくべく、ここから先も勝ち進む。

石黒登(取材・文)

試合結果

新座第二 1(5PK4)1 与野東
1(前半)1
0(後半)0
5(PK)4