昌平・藤島監督「ぜひ注目してください!」合同記者一問一答

全国高校選手権の組み合わせ抽選を受けて16日に合同記者会見が行われ昌平高校・藤島崇之監督、須藤直輝主将が出席した。以下は一問一答。

―なかなか対戦相手が決まらない中どんな心境で待っていたか。また相手が決まっての気持ち

須藤直輝主将:いままでやったことがある高校が最後残っていて、そういうチームになるのかなと思っていた中でやったことがない相手になったんですけど、全国に出てくるチームというのはやっぱり実力があるチームだと思う。自分たちは全国ベスト8という経験がありますけど、チャレンジャー精神で1回戦目から全力で戦っていきたいなと思いました。

(高川学園については)一度も対戦したことがないので、まだ全然わからないですけど、あと1ヶ月ちょっと時間があるので、そういったところでいろいろと情報収集しながらたくさん(映像を)見て、相手の弱点だったり、自分たちの戦術を固めてやっていきたいと思います。

―藤島監督は相手の印象は

藤島崇之監督:高川学園さんは昌平としてはやったことがないので、なかなかわからない部分もありますけども、チームとしては交流があり、先ほど(江本孝)監督から「よろしくお願いします」というショートメールもいただきました。これからまた決勝、準決勝と(映像を)見させていただきながら、我々がいまできることと、逆に相手のストロングポイント、ウィークポイントを含めて見極めながら、しっかりと積み重ねていきながらやっていきたい。大きく我々も変えるスタンスはないので、どういった形で選手に還元できるかを考えながら、スタッフで共有し合いながら、良いことを伝達しながらやれればいいかなと思います。

―自分たちの入った山を見てどういった印象か

須藤:どの山に入ってもやっぱり難しい試合はあると思いますし、選手権というのは本当に何が起こるかわからないので、そういうところはあまり気にしてはいないですけど…。でもやっぱり(前年度優勝校の)静岡学園を破った藤枝明誠が同じブロックにいるというのはすごい脅威だと思いますし、もし当たったら難しい試合にはなると思いますけど、そこはまず1試合1試合やりながら成長していけば戦って勝てると思うので、そういう感じで自分は捉えています。

―昨年敗れた青森山田と当たるとすれば決勝だが、そこで勝ってリベンジという想いもある

須藤:そうですね。逆山に入ったというところで、去年の屈辱を晴らせるのは決勝で山田を当たるしかないと思っていますし、もちろん山田を倒さない限り優勝はないと思っている。そこは見据えていますけど、でもやっぱり目の前の試合が一番大事になってくると思うので、自分たちはそこに集中してやっていきたいと思っています。

―今年はまた1回戦からということになったが、連戦への備えなどは

藤島:もちろん去年2回戦から始められたのは体力的な部分の優位性はありましたけども、選手権はやっぱり試合を通して成長するというのが、本当に我々指導者が見るとすごく実感するところはある。数多く試合をできるという経験がプラスに働くところもありますし、そのプラスの経験試合数を重ねることによって得られる積み重ねでまたチームとしての成長も求められるので、そこは気にしていないというか、多く試合ができて良かったという部分もあります。

とはいえいろいろな準備をしなければいけないという部分もありますので、連戦をどうやって戦うか、また1日明けた次のゲームでどうやってゲーム的な、戦術的な部分も含めてクオリティーを上げていくか、というところは日々のトレーニングレベルを高めていくことによって、もちろん体力的なレベルも引き上げていくことにも繋がりますし、あとは質をまたさらに上げていくというところはすごく試す場だと思っています。そのクオリティーを上げて自分たちがボールを持つ時間を長くすれば、優位に立てる状況というのが多くなるので、そういった部分で勇気を持てる戦いを常にできるように準備していきたいと思っています。

―選手権までの1ヶ月弱について

藤島:まだプリンスリーグの方も4試合(矢板中央、桐生第一、鹿島アントラーズ、帝京)を残していますので、この4試合でしっかりと地盤作りをしながら、また現状怪我を抱えた選手もいるのでそういった状況の中でサブの選手の活性化という部分も含めて、良いチャレンジをしながらやっていくことで、またチーム全体のプラスに働く状況も作れるかなと思っています。この1ヶ月は積み重ねと、新たなチャレンジという部分に関して言うと全体の底上げも含めてやっていきたいなと思っています。

―須藤主将はこの1ヶ月はどんなことが大事になってくると思うか

須藤:監督が言った通り、やっぱりいま怪我を抱えている選手がスタメンの中にも多少いますし、そういったところでいままでサブに入っていた選手だったり、Bチームにいた選手が試合に出られる機会というのが増えてくると思うので、そういったところで切磋琢磨しながら高め合っていけたら、絶対に全国大会でもプラスに働くと思う。そういったところはこの1ヶ月間ちょっと意識しながら、競争意識を持ちながらやっていきたいと思っています。

―個人としてはどういう意識を持って、どのように過ごしていきたいか

須藤:もちろん自分は全国大会を経験していますけど、また今回は3年生でラストの選手権というところで心持ちも違ってくると思うので、そういったところはしっかり心の準備をしながら、また課題がたくさん出たというのは決勝の時にも言ったんですけど、そういったところをチームに伝えていきながら、全国大会ではもっと「昌平らしい楽しいサッカー」をしていきたいなと思っているので、練習から自分が発信してやっていきたいと思っています。

―目標は

須藤:目標はやっぱり日本一というところを1年次から掲げていますけど、1年生の時のインターハイで全国3位に終わってしまってとても悔しい想いをしました。やっぱり自分が昌平高校に来た理由は選手権で日本一を取るためですし、またこのチームは絶対に日本一を取れるメンバーが揃っていると思うので、しっかり気を引き締めてやっていきたいと思っています。

―昨年ベスト8のチームと今年のチームの違い

藤島:もちろんチーム作りをする上で常にベストのチームを作りたいという想いでいますけども、今年に関してはやっぱり攻撃のバリエーションはいままで以上に増えたところはあるかなというように思います。もちろん毎年サイドバックの攻撃は売りで、去年はキックの精度の高い大竹(琉生)という選手がいて、柳田(亘輝)というスピードのある選手がいて、そういった部分で強みを出していった部分はあります。ただ今年はそれ以上に小澤(亮太)であったり、今回途中から出場しましたけど本間(温士)という選手もスピードがありますし、そういった部分でサイドの崩しというところもあり、なおかつ中央での突破もあり、あとはセットプレーでのゴールもあったりと攻撃のバリエーションはあるので、自信を持ってやっていければゴールに繋げることができるのかなというように思っています。

あとはやはり攻撃だけではなく、うちはわりと攻撃的に、技術的に長けているというふうに言っていただけることは多いんですけども、もちろんそこも大切な部分として積み重ねていくところはありますが、実際ディフェンス面も含めて攻守の一体、そこはもう常に意識しています。

これは須藤もそうですけども、技術的に長けている選手ですけども、ディフェンス面も本当におろそかにすることなくやっていますし、逆に言えば現代サッカーにおいて攻守ともにできる選手じゃないとやっぱりトップレベルでは通用しないという状況もある中で本当にそういったところをこちらもフォーカスしながら、攻撃の選手、守備の選手という分断をせずに、ディフェンスラインの選手も技術的な部分のクオリティを上げながら、攻撃の選手は守備の強さをちゃんと発揮しながら、もちろんそこに身体の強さといったところでまた築き上げていかなければいけないところもありますけども、逆にそこを予測と反応と判断というところで補うというか、逆に言えばそこを強みとして良い形を作れるというのも今年の良さにもなってくるかなと思っています。攻守一体というところをちゃんと表現できるようにしっかりとやっていければいいかなと思っていますし、今年の強みはそこかなというふうに思っています。

―全国の人に昌平のここを見て欲しいというところは

須藤:自分が1、2、3年生といろいろな経験をしてきた中で伝統というか、パスを繋いでゴールに向かうというところの軸は変わっていないと思いますし、やっぱり昌平のサッカーって見ていて、自分も試合を(映像で)振り返りますけど、本当に楽しいなというか、そういう試合が続くので、ボールを保持するところだったり、自分とかほかのメンバーがドリブルで仕掛けるところだったり、小見洋太のシュートの質だったり、あとは柴(圭汰)のディフェンスだったり、バック陣の粘り強さだったり、本当に試合ひとつを通していろいろなところに面白いところがたくさんあると思うので、そういうところを見て欲しいなと思います。

―最後に一言お願いします

藤島:「ぜひ注目してください!」と言った方がいいかなと(笑)。注目をしていただいている中でそのプレッシャーをはねのけて成長していくというのが今後のいろいろな経験値の中ですごく大切だと思いますし、間違いなく私自身はプラスになると思っています。逆に言えば注目していただけることが過信を生む選手ではないと思っていますし、過信を生むチームではないと思っている。そのプレッシャーをはねのけるために何ができるか、プレッシャーを感じる中で自分たちのクオリティをどう上げていくか、ひとつそこの課題が見つかっていくというのがすごくチームとしてプラスになるのかなと思っています。良い意味で注目をしていただきながら、我々もそこにしっかりと頑張っていけるような環境を作っていきたいと思っています。

あとは本当に一番(須藤)本人が感じているのは昨年ベスト8で負けて、上まで行けば行くほど悔しさも倍増していくというか。多分一番悔しいのは1年生の時の選手権予選の準優勝とか、そこは県大会のステージでしたけど、準優勝ってこんなに悔しいんだと、全国大会の3位になったら優勝まであとひとつというところの悔しさがある。もちろん本当にそういった経験をしている須藤がいろいろな部分でチームへの還元という部分は思い切ってやってくれているので、私自身もそこには制限をかける気もないですし、逆に言えばそこはまかせているので、そこを彼の成長とともにチームの成長に繋げていける状況にしていきたいと思っております。

須藤:コロナウイルスが流行する中、たくさんの方々のおかげでサッカーができるというところに幸せというか、ありがたいなと思っています。高校サッカーで日本を笑顔にしたいと思っていますし、本当にサッカーって力があると思う。もちろん自分たちがプレーする中で注目していただいていろいろな人に見てもらえたら嬉しい限りですし、あとはやっぱり自分が高校サッカーを選んで、進んできた道に間違いがなかったと思えるように、絶対に日本一を取ってプロの世界に羽ばたいていきたいなと思いますし、そうじゃないと悔いが残ると思うので、そのためにいまから全力でチームの底上げに尽力していきたいなと思っています。

石黒登(取材・文)