MF太田成耶が2ゴール! 昌平が3rdリーグ連覇に前進。 ここでアピールし、それぞれが個人昇格狙う

埼玉県3rdチャレンジリーグが10日に行われた。勝ち点15で並ぶ1位昌平(5試合消化)と2位西武台(6試合消化)の首位攻防戦は2-1で昌平が勝利し、リーグ連覇に王手をかけた。

「ほぼ動いていない状態で1か月半試合を出来ていないので、身体が動かないのは想定内の中でよく最後まで走ってくれたなという感じですね」と昌平3rdを預かる森田光哉監督はいう。緊急事態宣言後は週2の活動で1回90分の練習。また、今年も3rdは20人弱の3年生チームで動いており、フルコートや11対11のゲームは選手たちにとっては本当に久しぶりだった。

立ち上がり差し込まれるシーンもあったが、ペースを握ったのは昌平だった。10番を背負う技巧派MF横田拓海(3年)が自慢のドリブルで切り込むプレーを見せていくと前半16分、横田の縦パスをFW栃久保海汰(3年)がスルー。裏から抜け出したMF太田成耶(3年)が泥臭く押し込む。さらに26分に太田はMF菅谷翔介(3年)のクロスを点で合わせて2点目とした。

太田は前期こそS1リーグに絡んでいたが、後期はベンチ外に。そういった悔しい想いがあったからこそ、得点への想いは強かったという。「こっちで結果を残して見返したいという気持ちは強くあります。そこはゴールで表現していきたい」という想いが2得点という結果に繋がった。

後半疲れの見えた昌平に対し西武台は34分、途中出場のMF角田力保(2年)が粘り、FW遠藤飛希(2年)が詰めて1点を返す。しかし昌平はその2分後、横田が決めて再び突き放す。終盤、西武台は角田、MF帖佐佳人(2年)がゴールに迫ったが、3-1で昌平が大一番を制した。

久しぶりのゲームで終盤は厳しい場面もあったが「3年生が意地を見せてくれた」と森田監督。この1勝で連覇に大きく前進。「やっぱりどの層でも昌平は強いというのは、うちが責任を持って見せていかなきゃいけない。昌平という看板を背負って試合をする以上、どのカテゴリでもプライドを持っている。メディア等ではやっぱりうちのAチームが取り上げられることが多いですし、プロの選手を何人輩出というのもあるかもしれないですけど、ここまで選手の層が高いというのは彼らが証明してくれればいいと思う」と、トップチーム同様に層の厚さを見せた。

また、選手たちには内部昇格という野望もある。今回の選手権予選メンバーもトップチームを指揮する藤島崇之監督は提出する最終日まで熟考。「監督がやっぱり一番メンバーを決めるうえで気にしていたのは3年生なんです」と森田監督は明かす。最終的に県予選メンバー入りを果たすことは出来なかったが、まだ残りのS1リーグ、プリンスリーグへの個人昇格に加え、県予選を優勝すれば、本大会での30人はいまとは違う枠になるため、まだまだチャンスはある。そしてそういったステップアップを果たすことが昌平をさらに上に押し上げると森田監督は期待する。

太田は「あと3試合ある。そこできっとコーチ陣も見てくれる試合もあると思うので、しっかりもっと点を取って、良い形でメンバーに食い込めるように頑張っていきたい」。横田は「結果を残して選手権とかプリンスとか、S1もまだあるので、そこに絡んでいきたい。自分の武器のドリブルで剥がしながら得点に絡んで、アピールしていければなと思います」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 3-1 西武台
2(前半)0
1(後半)1