10回目を迎えたサザンクロス杯。南高の血を次代へ。野崎正治監督「繋がっていって欲しい」
県内のフェスティバルとして夏を彩る「サザンクロスカップ」は今年で10回目の開催を迎えた。
野崎正治監督が浦和東にいた際にOBに声をかける形で始まった同大会。そしてこの大会の開催を何よりも喜んでいたというのが同校を強豪に育てあげた故・松本暁司先生だったという。
「やっぱりこれは松本先生の実績なんですよ。南高出身の指導者は多い。それは松本先生が勝つことだけじゃなくて、やっぱり指導者もちゃんと育てているという、そういう実績を持たれた方だからこそ。みんなここ(浦和南)で育って、松本先生の背中を巣立っていった」(野崎監督)
松本先生は毎年、この大会を訪れるのを楽しみにしていたという。そういった大会で「初めて本家(浦和南)が勝たせてもらって、松本先生も喜んでいるんじゃないかなと思います」。第10回の節目の開催での初優勝に、松本先生の愛弟子である野崎監督は穏やかな表情を見せた。
「みんな南高の血を持って、いろいろなところで頑張っている人たちに、ずいぶん賛同してもらってやっている。このコロナ禍ですから形はどんどん変わりながら、変化させながらやらなければいけない。私も“老兵は去るのみ”ですが、こういうのは繋がっていって欲しいですよね」。
今年で10回目の節目を迎えた同大会。松本先生の教えを、浦和南の伝統を、ひいてはサッカー王国・埼玉の伝統を次代に引き継ぐために。今後、20回、30回と、長く続いていくことを願う。
石黒登(取材・文)