第60回 関東高校サッカー 正智深谷 vs 宇都宮短大付属

関東高等学校サッカー大会2日目。Bグループ2回戦で埼玉県代表の正智深谷高校は栃木県代表の宇都宮短期大学付属高校と対戦。エースFW梶谷政仁のゴールを含む4得点を奪った正智深谷が反撃を1点に抑えて4ー1で勝利し、同組決勝でもある3位決定戦に駒を進めた。

スコアこそ離れたが点差ほどの差はなかった。勝負を分けたのは前半終了間際の先制点。「取るべきところでしっかり取った」(小島時和監督)正智深谷が試合の流れを引き寄せた。

どちらかといえば良いスタートを見せたのは宇都宮短大付属の方だった。

「思っていたよりもパスワークが早かった」と小島監督。インサイドハーフ2人を中心とした相手の攻撃に序盤は守勢に回る時間が増えるも、それでもこれに早い段階で対応すると、右サイドハーフのオナイウ情滋、梶谷が中心となり、スピードのあるサイド攻撃から敵陣に圧力をかけていく。

どちらに転ぶかわからない状況が続く中で試合が動いたのは前半38分。ミドルサードでフリーキックを獲得すると、MF須々田宗太のキックを1回戦でも先制ゴールをアシストしたDF孫大河がヘディングで折り返して、最後はDF中村友空が押し込んだ。

宇都宮短大付属・前田貴広監督も「前半は0で抑えて後半勝負というのもプランにあった」という状況で、この1点はこの試合で大きな価値を持つゴールとなる。緊迫の一戦は正智深谷が1点リードで折り返した。

後半は1回戦同様、長いボール頼りになってしまっていた攻撃をショートパス主体のものに修正。お互いの距離が縮まり、パスのリズムも出てくると8分に追加点が生まれた。得点を決めたのはエースの梶谷。この日梶谷とともにトップのポジションに入ったユーティリティープレーヤーの木藤皇成の折り返しを受けると、素早い反転から左足でニアサイドに突き刺した。

4月の船橋招待で負った怪我の影響で関東大会予選を欠場した梶谷。復帰後はリーグ戦3試合に出場し、迎えた本大会1回戦ではチームを勢い付ける先制点を決めてみせた。この日のゴールシーンでは「いままでだったらパスを選択していたが、最近『お前はストライカーだ!』と監督に言われてそこからシュートだけを意識するようになった。ゴールが空いていたら、もう自分が打つという考えで積極的にゴールを狙っています」。

ストライカーとしてのエゴも徐々に生まれ始めており、怪我による離脱期間を経て一回り大きく成長して帰ってきた。

その後セットプレーから1点を返されたが、それから8分後の後半23分に再び追加点。自陣で梶谷が足を伸ばして相手のボールをカットすると、これを受けたオナイウが相手ゴールに向けてドリブルを開始する。爆発的なスピードでマーカーを引き剥がすと、「自分で打とうとも思ったが、駿くんが見えてこっちの方が確実だなと思った」と、フリーで待っていたMF萩原駿に絶好のスルーパスを配給。これを萩原が冷静に流し込んで3ー1とした。

再び2点差とした正智深谷はメンバー交代を有効に使いながらさらに前線を活性化させていく。後半32分には直前に入ったばかりのMF西澤悠人のクロスのこぼれ球をMF谷口瑛也がダイビングヘッド。これは惜しくもクロスバーを叩いたが、この跳ね返りを西澤と同じく直前にピッチに投入されたMF山根俊輔が決めるなど、交代策もピタリと嵌まった。

試合はこのまま4ー1で終了。「新人戦の頃は(交代選手を入れると)どんどんと失速していっていたのが、だいぶ対応できるようにはなってきた」と小島監督。「はっきり言ってレギュラーは決まらない状況。金井(豊)コーチと話をしていても、あれにしようかこれにしようかと悩むくらいですから」といい、厚みを増した選手層に嬉しい悩みを打ち明けていた。

試合結果

正智深谷 4-1 宇都宮短大付属
1(前半)0
3(後半)1

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