第99回 全国高校サッカー選手権大会埼玉県大会 決勝ラウンド16 西武文理 vs 細田学園

選手権予選2次トーナメントラウンド16。細田学園は3-2で西武文理を下し、2年連続の8強入りを果たした。

まず先に仕掛けたのは西武文理。FW小谷野修がパワーを持って攻め込みながら、MF橋本淳のロングスローやセットプレーから圧力をかけていく。すると前半11分、敵陣左サイドでのスローインの流れからMF佐野大地が強引にディフェンス2枚の間を割ってエリア内に侵入。角度のない中でキーパーとの1対1を狙い澄ました右足のコントロールシュートで決めて先制した。

一方、立ち上がりは相手の勢いに対し、受ける形となった細田学園もこの失点を境にしっかりと切り替え。後ろから繋いで組み立てるいつも通りのプレーが戻ってくると前半18分、FW齋藤真が積極的に放ったシュートをキーパーが弾いたところをMF久松純太が詰めて同点に。さらに21分にはMF細島大空のアシストから縦に仕掛けた齋藤が左足でゲットして逆転した。

その後も一進一退の展開となった中で、細田学園は後半12分にFW金子弘輝のパスを受けた齋藤が高速カットインから左足で突き刺して3-1としたが、西武文理も18分、橋本のロングスローをニアで佐野がすらすと、ファーサイドでFW平岩寛明が詰めて再び1点差に迫る。終盤は西武文理が1点をもぎ取りにいったが、細田学園がしっかりと守り切って激戦をものにした。

細田学園は初となった昨年に続く、2年連続のベスト8進出。2016年の本格強化からたった4年での結果としては出色の出来ではあるが、上田健爾監督は「このもう一個先に行きたい」とベスト4を見据える。その準々決勝の相手は長年埼玉サッカー界を牽引してきた強豪・西武台に。「やっぱりそういう強豪に勝たなければ強豪にはなれない。そこに行きたいという目標があるので、精一杯頑張りたい」と2年連続のチームベスト更新、4強進出に向け意欲を見せた。

また決めた!細田学園のエースストライカー斎藤真が3戦連発5ゴール目「得点王、狙う!」

細田学園のエースストライカー齋藤真が得点を量産中だ。初戦の伊奈学園戦で2ゴール、2回戦の慶應志木戦でも1ゴールを決めていた10番はこの日もその得点能力の高さを存分に見せた。

序盤は固さもあったという中で先制点を許したが、すぐに切り替えるとチームの流れを変えたのはやはり背番号10。前半18分、「自分はFWなので積極的にシュートにいこうと思った」と強烈なミドルシュート。これはキーパーに弾かれたが、こぼれ球が同点ゴールに繋がった。

さらにその3分後には自らネットを揺らす。MF細島大空からの縦パスが入ると、「相手が8番(細島)に食いついたのがわかった」と縦に勝負。角度のないところから左足で突き刺した。

そして後半12分には武器のスピードを生かして内に切り込みながら左足でゲットして、本日2得点。ちなみに利き足は2点を生み出した左足はなく右足。両足での精度の高いシュートも齋藤の強みだ。自らの2ゴールを含むチームの3得点すべてに絡んだ齋藤に上田健爾監督も「試合前から良い目つきをしていたのでやってくれるかなと思っていた」と信頼を語った。

これで伊奈学園、慶應志木戦に続く3戦連続5得点目。細田学園のエースストライカーは「今大会は得点王を狙っている。そのためにはまだまだ足りない」とゴールへの強い意欲を見せる。

次戦は昨年自身が同点弾を決めながらも、あと1点届かなかった駒場での準々決勝だ。「本当の戦いはここから。去年のリベンジは駒場でしか返せないと思っている。やっぱり駒場で去年よりも点を決めて、チームが1個上、2個上でも勝ち上がっていけたら良い」と齋藤。1回戦、ラウンド16では2得点を決めているだけに「次は行きます!」とハットトリックを宣言した。

石黒登(取材・文)

試合結果

西武文理 2-3 細田学園
1(前半)2
1(後半)1