小見洋太が無得点の中でも感じた確かな手応え。あの日本代表FWも「応援していました」と明かす
前半を終えて0ー3。「もう点を取るしかなかったので前を向いてプレーすることは自分自身でも意識してやっていた。前を向いてプレーすることによって自然にシュートとかも打てるようになったので、そこはもうちょい早く修正できていればなと思いました」とFW小見洋太。
後半9分には相手のパスミスが小見のもとへ。「結構冷静に周りが見えていた。それでちょっと相手を引きつけて時間を作ってから、良いタイミングで直輝も動き出してくれたので結構良い感じに出せたかなと思います」。MF須藤直輝の上がりを引き出し、追撃弾をアシストした。
これが呼水になるように昌平がボールを持って試合を進めると35分にはついに1点差に。小見も前線で精力的に動き続け、28分にクロスをバックヘッドで合わせた場面は惜しくもゴール右。アディショナルには鋭い反転から右足を振り抜いたが、枠を捉えることができなかった。
直前のプリンスリーグ参入戦では水戸ユース、ジェフ千葉U-18といったJクラブ相手に2試合3得点と大暴れ。選手権でも得点力が期待されたが、2回戦の興國戦、3回戦の國學院久我山戦と決定的な場面を作った中でクロスバーに嫌われるなどネットを揺らすことはできず、今大会は無得点に終わった。「FWとしてゴールが取れなかったっていうのはすごい責任も感じていますし、自分が今回の試合もチャンスがあった中で決めきれなかったという部分は自分の大きな課題だと思うので、そこは本当に練習を重ねて、決定力もつけていきたいと思います」。
ポジションこそ違えど、昌平にとって決定打となってしまった3点目を決めた青森山田のエースMF武田英寿については「本当にひとつひとつのプレーっていうのがすごくうまいなと試合中も感じた」と言い「そこは良いプレーを盗みつつ、自分も決め切れる選手になりたい」と、浦和レッズ加入を決めているMFからも学びながらさらに成長を遂げることを誓う。
それでも逆に全国で「通用した」と感じたこともある。「武器の動き出しは興國でも久我山でも、山田戦でも通用した。そこからポストプレーとか、良いシュートシーンまで持って行けた」と小見。前線でランを繰り返し、ディフェンス面での貢献度も多くのメディアで報じられた。
また試合翌日には日本代表FW前田大然も「陰ながら応援していました。お疲れ様でした。仲間」とtwitterを更新。168cmの小柄なストライカーは全国の舞台でも確かな爪痕を残した。
「本当にこういう舞台でプレーできるのは限られた選手なので、来年はこの経験をチームのために生かしたい。細かいプレーとかは結構上がってきている。あとは本当に最後の決定力の部分が自分に足りないところだと思うので、そこはどんどん練習していきたいと思います」。
石黒登(取材・文)