高校サッカー関東大会 埼玉県予選 埼玉平成 vs 市立浦和
関東大会・埼玉県予選1回戦。浦和南高校会場この日最後の試合は埼玉平成高校と市立浦和高校が対戦。試合は市立浦和が先制したものの、埼玉平成が後半に3点を奪って逆転した。
ファーストチャンスは埼玉平成。前半1分、セットプレーからDF大沢龍之介がヘディングで合わせるもこれは惜しくもゴールを外れる。一方の市立浦和も徐々にボールを持ち始めると、細かいつなぎから30分、32分とチャンスをつくるなど、試合は一進一退の攻防となった。
そんな中で先制点を奪ったのは市立浦和。前半40分、エリア右をFW三富大樹とのワンツーで抜け出したMF伴一成がゴールに突き刺した。負傷したMF宇和田真琴の代わりに前半23分に急遽ピッチに立った20番の一撃で、市立浦和が1点リードで試合を折り返すこととなる。
それでも「立ち上がりが悪いのはいつものこと。うちは後半が強いので」とMF大河原雄一郎。主将のMF佐々木旭も「いつも3ー4、4ー3という試合が多い中で、1失点ならまだいけるという感じだった。ハーフタイムも慌てずにいつも通りやろうと話していた」と語るように、1点ビハインドながら埼玉平成に悲観的な雰囲気は一切なかったという。
そして後半はその言葉通り埼玉平成が自慢の攻撃力を見せた。その口火を切ったのが後半投入の大河原だ。「相手の守備がこなかったのであえて動かずに待って、キーパーの前のスペースを狙っていた」と背番号18。後半14分、佐々木から絶好のボールが入ると「練習でもやっていた形。本当にイメージ通り」と、冷静に押し込んで同点に持ち込む。
さらに後半25分にはこの日が公式戦初出場だったというFW久保田拓実が、MF大島龍斗のシュートをキーパーが弾いたところを詰めて逆転に成功。終了間際の39分にはFW井上誠がキーパーの位置を確認すると「右の角の方が空いていた」のを見逃さずに豪快なミドルシュートで3点目とした。そのまま試合は3ー1で終了。大河原、久保田、井上と、途中出場3人が結果を出した埼玉平成が市立浦和を下し2回戦進出を決めた。
「今日は市立浦和がうまくブロックを作っていたので少し戸惑った部分はあったが、後半は選手たちでうまく修正できたと思う」と埼玉平成・浦田尚希監督。新人戦からの2ヶ月間は様々なプレスに対応できるよう「つなぐ」部分にフォーカスを当てて練習を行なってきた。残念ながら翌日の2回戦で浦和西高校に敗れたが、この日見せたように攻撃のポテンシャルは高い。昨年の経験値も含め、総体予選ではさらにレベルアップした姿を見せてくれるはずだ。
石黒登(取材・文)
試合結果
埼玉平成 3-1 市立浦和
0(前半)1
3(後半)0