第97回全国高等学校サッカー選手権大会 埼玉県予選会決勝トーナメント1回戦 浦和 vs 埼玉平成

全国高校サッカー選手権・埼玉県予選1回戦。西武台グラウンドこの日最後の試合は埼玉平成高校がMF佐藤匠、MF斎藤司真のゴールで県立浦和高校を2ー0で下し、2回戦進出を決めた。

埼玉平成は立ち上がりから積極的にプレスをかけると前半8分に先制点。高い位置で奪って1年生MF金田璃空が左サイドを抜け出し、クロスに佐藤が合わせて早々に試合を動かした。

対する県立浦和は前半26分にMF小峯拓也がフリーキックから直接ゴールを狙っていくが、シュートは枠を捉えることができない。直後埼玉平成は斎藤のシュートがキーパーに弾かれたこぼれ球を1年生FW山賀翔太が詰めてネットを揺らすが、これはオフサイドの判定となった。

県立浦和は終盤プレスが嵌り始め、攻める展開も増やしていくが、なかなかシュートを打つまでには至らず。互いに記録上のシュートは1本と静かな展開の中でハーフタイムを迎えた。

後半も一進一退の攻防の中で埼玉平成は18分、金田のシュートのこぼれに先制点の佐藤が詰めるも再びオフサイドに。24分には斎藤、DF徳永勇弥と連続してゴールに迫ったが、これはGK中島紘夢が立ちはだかる。一方の県立浦和も26分にMF吉田大介のクロスをMF白川陽聖が折り返し、1次予選5ゴールのMF片山拓也に託すが、シュートはクロスバーを大きく越えた。

残り10分を切って最小点差でゲームが進行する中、勝負を決めたのは埼玉平成のキャプテン・斎藤の一振りだった。後半32分、中盤で背番号14にボールが入ると、前線が連動して動いてスペースを演出。綺麗に割れた中央のエリアにボールを運ぶと、己の「感覚」を信じて放った左足のシュートがゴールに突き刺さった。2ー0で勝利した埼玉平成がラウンド32に駒を進めた。

チームを牽引する3年生2人が決めた埼玉平成が実に9試合ぶりの勝利!

実に9戦ぶりの勝利だった。今夏はフェスティバルで優勝するなど結果を残した一方で「夏で1回ピークが来てしまった。夏の疲れが取れず、後期リーグに入ってからも苦しんでしまった」と浦田尚希監督。後期リーグ戦は5敗3分。難しい状況の中で迎えた選手権1回戦だった。

そういった中でこの日、ゴールという結果でチームを牽引したのが佐藤、斎藤の3年生2人。前半8分に「今日は点を取りたいと思っていた」という佐藤がクロスをきっちりとゴールに運んで早々に先制すると、その後は追加点が生まれない中でも焦れずに戦い、後半32分に前線が連動して演出したスペースにドリブルで割って入った斎藤が左足を振り抜いて勝負を決めた。

ゴール以外でも先発11人中5人が1、2年生と若いチーム(1年生3人、2年生2人)をまとめた。監督として、受け持ちの担任として彼らの成長を見守ってきた浦田監督は「チームを引っ張っている2人。苦しいチーム状況の中でもよく頑張ってくれた」と言って目を細めた。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和 0-2 埼玉平成

0(前半)1
0(後半)1