[女子選手権]涙の冬から1年…昌平が全国初勝利!仙台内定FW松井美優が先制弾、2年目の挑戦で掴んだ大きな1勝
昌平が全国大会初勝利!第34回全日本高校女子サッカー選手権大会が29日に兵庫県を舞台に開幕し、昌平はWEリーグマイナビ仙台レディース内定のエースFW松井美優(3年)らのゴールで3-1で京都精華(京都)を下した。30日の2回戦では高川学園(山口)と対戦する。

昌平は初出場だった昨年、秀岳館(熊本)に特に後半はシュート本数で圧倒しながらも0-2で敗れ、涙を呑んだ。松井に加え、主将のMF山田仁菜、副将のMF小室瑠花、GKロブソン莉彩那、DF福島沙羅メヘル、MF鈴木志真子、MF勝山あゆみ(ともに3年)ら、昨年の主力を多く残す今年はこの舞台に戻り、そして勝つために1年間を重ねてきた中で新たな一歩を刻んだ。
昌平は立ち上がりから勢いを持って相手を押し込み、松井がスピードを持って突破や抜け出しで相手に脅威を与えていた。その中で5分、ボランチに入った木村唯(2年)のパスを鈴木がワンタッチで前線へ。これに抜け出した松井が右足で流し込み、昌平の全国大会初ゴールを挙げた。
さらに8分には山田の左クロスのこぼれ球を勝山が打ち抜いて、立ち上がりに2点を奪った。その後も昌平は松井のポスト強襲のシュートや鈴木志がカットインから果敢に狙う。37分には松井が右サイドを抉り、クロスに山田が合わせたシュートは相手キーパーのファインセーブに遭ったが、攻め続ける中で相手のシュートを0本に抑えるなど、良いリズムを持って前半を終えた。
昌平はHTに2枚替え。FW西脇優(3年)を投入し、前線のポイントを増やしてさらに攻撃の活性化を図る。後半14分の鈴木志のミドルシュートはキーパーの手を弾きながらクロスバーを叩いたが、その2分後に追加点が生まれた。中盤で小室からボールを預かった西脇がひとつ運び出すと右足を強振。これが右隅のコースに突き刺さるゴラッソとなってリードをさらに広げた。
直後に1点を返されたが、趨勢は変わらなかった。36分には途中出場のMF瀬戸陽南花(1年)の右クロスから山田がニアサイドで触れたシュートは惜しくもゴール左に外れたが、終盤も選手交代を図りながら攻撃を続けた昌平が3-1で勝利し、2度目の挑戦で全国初勝利を飾った。
森田光哉監督は「昨年は浮足立った状態で、一瞬で終わってしまったっていう全国大会だったので、それを取り返す意味でも、すごく今日は朝から落ち着いた状態で会場に入れましたし、試合も落ち着いた状態でできたかなと思うので。すごく嬉しいですね」と笑顔で初勝利を振り返る。
今年は最高峰の関東1部リーグで1年揉まれたことも繋がった。「試合の入り方もそうですし、ハーフタイム明けの入り方、苦しい時間とか、リズムを崩した時にどうするか。ポジション変更して、フォーメーションを変えたりしながらも流れを自分たちの方に引き戻していくっていうところは、関東1部リーグで強い相手にできていたことだったので、それはすごく自信に繋がっているかなと思います」。前から嵌めこむ守備もそのひとつ。「(日テレ・東京ヴェルディ)メニーナのボール回しに耐えられた45分を経験しているので、それ以上はないっていうのは、選手たちにも話をして自信に繋げてやっています」。1部初挑戦は8位で降格が決まったが、先週行われた最終節では暁星国際に3-2で勝利し、良いリズムで今大会を迎えたことも大きかった。
初勝利を糧にさらなる高みへ。森田監督は「嬉しいのはいまのところまでにして、この後、また明日のことを考えないといけないですし、どんどん歴史を塗り替えていけるように頑張っていきたい」と気を引き締める。選手たちもこの1勝で終わるつもりはない。松井は「次も勝ってみんなと一緒に年越ししたいですし、本当にこのチームのメンバーが大好きなので、ひとつでも長くみんなとサッカーしたいから、本当に優勝まで登っていきたいです」と強い意気込みを示した。
石黒登(取材・文)
試合結果
昌平 3-1 京都精華
2(前半)0
1(後半 )1


