[プリンス関東2部参入戦]“凡事”で上回った90分。成徳深谷が初陣を制し、初昇格に王手
20日、高円宮杯JFA U-18サッカープリンスリーグ2025関東 supported by G-Vinculo 2部リーグ参入戦1回戦が行われ、県代表の成徳深谷は1-0で常磐(群馬)に勝利した。成徳深谷は初のプリンスリーグ昇格をかけて22日の決定戦でFC町田ゼルビアユース(東京)と対戦する。

奇しくも同じ『凡事徹底』をチームのスローガンに掲げ、同じようなストロングを持つ両校の一戦となった1回戦。「同じスローガンなので、相手の凡事より上回らないと、今日は勝てないよっていうのは伝えてきて、そこは1週間かけて伝えてきたところです」と為谷洋介監督は話す。
以前、為谷監督は「当たり前のことを当たり前に、当たり前の質を上げようと。成徳に来る選手はどうしてもトップトップじゃないやつらが多い。基礎的なことを強豪校の人並み以上に上げていくことが大事」とスローガンの由来を語っていた。セカンドボールの回収や競り合いで負けないこと、成徳深谷として「当たり前のこと」を徹底し続け、初のプリンス参入戦で勝利した。
中盤ではMF白川成夢(3年)が選手権予選初戦となった川越城西戦以来のスタメンに復帰。MF朝烏真大(3年)主将、MF松尾泰希(2年)、MF鯨井遥翔(3年)のトライアングルでセカンドボールに先に触ることを徹底し、前線では188cmの長身FW 頓宮琥太郎(3年)に当てながら、スピードに優れるFW川上稜介(3年)が裏を狙い、そこでセットプレーを獲得する。
すると前半35分、成徳深谷は敵陣右サイドでスローインを獲得。今年も1年間相手にとって脅威となっていたDF山谷康太朗(3年)のロングスローから頓宮が競り勝ってすらすと、裏のスペースに走り込んだDF菅井陽斗(3年)が身体を捻りながら、ヘディングで決めて先制した。
後半は頓宮に代えて、10番FW関根大和(3年)を投入。6分にはゴールキックからの展開から右サイドで連携して崩し、菅井のクロスに関根が頭で合わせる。また、川上が前半に続いてゴールに向かう迫力を見せ、31分にはカットインから1人2人と交わして左足シュートで迫った。
守備ではDF横山大平(3年)がこの日も跳ね返しの部分で強さを発揮し、DF今井葵大(3年)、GK本田一朗(3年)とともに後半も堅守を継続。「相手のトップの選手がヘディングが強いので、そこのやり合いでとにかく負けないこと。負けるにしてもカバーリングをちゃんとつかせて、跳ね返したらセカンドボールっていうのを徹底できていたかなと思う」と為谷監督も振り返った成徳深谷が1-0で勝利。初のプリンス参入戦となった中で“凡事”で上回り、初勝利を飾った。
初昇格を懸けた相手は町田ユースに決定。為谷監督は「多分ボールを握られると思うので、こっちは守備をしっかりボールに行かせながら、相手の嫌なところを突いていければ多少のほころびじゃないけど、そういうのも出てくると思うので、そういう隙を突いていきたい」と意気込みを語った。Jアカデミーに対しても自分たちのやることを徹底し、初のプリンス昇格を叶える。
石黒登(取材・文)
試合結果
常磐 0-1 成徳深谷
0(前半)1
0(後半)0


