[女子選手権]昌平が“苦闘”の末に2年連続の全国へ! 仙台内定FW松井美優の延長PK弾で花咲徳栄を下し県3冠達成
苦しみながらも昌平が2年連続の全国へ。令和7年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会決勝が10月13日に熊谷スポーツ文化公園補助陸上競技場で行われ、昌平と花咲徳栄が対戦。延長戦までもつれた一戦は昌平が2-1で制し、新人戦、総体予選に続く、県内3冠を成し遂げた。

昌平は前半5分、左CKからの流れでMF福島紗羅メヘル(3年)のシュートのこぼれ球をMF上田莉子(2年)が落とし、MF勝山あゆみ(3年)が右足シュートで決めて幸先良く先制した。
昌平は10番MF鈴木志真子、MF山田仁菜(ともに3年)主将がゲームのテンポを作り、前線ではこの日も仙台内定FW松井美優(3年)が立ち上がりから惜しいシュートを放っていく。9分にヘディングでゴールに迫ると、13分にはDF村松栞帆(1年)のパスを収めた松井が反転から左足でシュート。しかし、ここは花咲徳栄GK須川杏莉(3年)主将の好守に阻まれた。
花咲徳栄も夏の遠征で鍛えてきた競り合いの部分や球際の部分で1人1人が強さを見せて相手に自陣で自由に前を向かせず。MF米彩寧、10番MF柾谷雫(ともに2年)がセカンドボールを回収し、相手にペースを握らせない。最終ラインも土肥七々莉、小池杏怜(ともに3年)のCBコンビを中心に粘り強い守備。そして最後のところでは須川が再三にわたって好守を見せた。
昌平は32分、松井がゴールに迫ったが、須川が阻止。40分の福島のミドルは惜しくも上に外れた。花咲徳栄は後半もコンパクトな陣形を保ちながら、相手のボール回しに対し飛び込まずにブロックを作って対応。その上でMF宍戸凜花(2年)のスピードを生かした攻撃も狙っていく。
昌平は後半25分、福島がゴールエリア内でキープし、落としを途中出場のMF岡本明莉(1年)が右足で狙うが、ここも須川がバックステップを踏みながら掻き出す。すると須川の好守に応えるように花咲徳栄は直後の27分、米のラストパスから準決勝の川口市立戦で決勝ゴールを挙げた宍戸が抜けだし、右足シュートを逆サイドネットに突き刺して同点とすることに成功する。
追いつかれた昌平は30分に松井が中盤から持ち出してシュート、40分にはカットインから松井が鋭く左足を振り抜いたが、どちらも須川が立ち塞がった。勝負の行方は延長戦に突入する中で、昌平が相手陣地に押し込んで進めながらも、花咲徳栄の固い守備を崩せない時間が続いた。
それでも延長後半7分、昌平は山田がゴール前に浮き球のボールを入れると、空中で収めにいった松井が倒されペナルティキックを獲得。これを自ら右足で流し込んで勝ち越しゴールを奪う。
追う花咲徳栄は8分、セットプレーのこぼれ球を柾谷がダイレクトで狙ったが、昌平GKロブソン莉彩那(3年)がストップ。2-1で勝利した昌平が2年連続の全国切符を掴み取った。
森田光哉監督は「セカンドボールも球際も全部、徳栄さんの方が上回っていた」と振り返る。中盤の競り合いの攻防のところで試合を通じてなかなかボールを奪いきれず、陣地を挽回されての繰り返し。その状況を覆すドリブルの仕掛けやアクションも少なかったことを反省する。その中でも失点後は「危機感を持って」ゴールに迫る回数を増やし、勝ちきったことは評価していた。
「うちの男子もそうですし、外に目を向ければ母校の青森山田、前橋育英の男子とかもそうですけど、強豪になっていく上で昌平の勝ち方とか対策の仕方っていうのを徐々にやっぱり県内のチームがわかってきて、そこに対して今年あたりは踏ん張りどころだったのかなと思います」
昨夏日本一を達成した男子もそういった相手の対策を跳ね返し強豪に成長。男子もコーチとして10年以上見てきた中で「本当に強くなっていく段階がまったく同じだなっていうのを感じている」という指揮官は「そういう段階を踏んで、もう1つ、2つ抜ければなと思います」と語る。
初の全国だった昨年は1回戦で敗退。昨年のメンバーも多く残る今年は、再びあの舞台に戻り、今度は勝つために新人戦から積み上げてきた。山田主将は「今年は練習試合も結構多かったし、夏もきつかったけど、全部は日本一取るためだと思っているので、もう自分たちのやってきたこと信じて、絶対全国で良い結果を残したいです」と意気込み。松井は「もっとクオリティを上げていって、勝てるチームになっていきたい」と2度目の全国に向け、さらなる成長を掲げた。
石黒登(取材・文)
試合結果
昌平 2(延長)1 花咲徳栄
1(前半)0
0(後半)1
0(前半)0
1(後半)0


