[選手権]浦和東、昨年に続き“初戦”で朝霞を撃破。ヘディング、球際、切り替え…「基本の徹底」体現し、4発快勝発進

第104回全国高校サッカー選手権埼玉県予選が12日に開幕し、1回戦20試合が行われた。埼スタ第4Gでは浦和東と朝霞が対戦。浦和東が4-0で勝ち、川口市立との2回戦に進出した。

浦和東は昨年も初戦(2回戦)で朝霞と対戦し、6-1で勝利。同年はベスト8まで進出した。リベンジを狙う朝霞が高い強度で臨んでくる中で浦和東は、エースストライカーのFW金響生、MF谷口大河(ともに3年)がそれぞれ2発ずつを奪うなど、4ゴールでまずは初戦を突破した。

浦和東は前半2分、10番MF永田隼(3年)主将のミドルシュートがいきなりポストを叩くと、7分だ。DF足立雅空(3年)の右クロスをMF丸井雅斗(3年)がキープ。落としに対して谷口が浮き球のボールを入れると、中央に飛び込んだ金がヘディングでゴールネットを揺らした。

幸先の良い先制点で流れを掴むと、両サイドが高い位置を取りながら連続攻撃。中盤では永田がボールを保持しながら左右への配球などで攻撃をリードする。26分には永田が時間を作り、左クロスを丸井がヘディングで中に折り返し。最後は谷口がヘディングでゲットし2-0とした。

後半も多くの時間で押し込んで進め、27分には左クロスを丸井がヘディング。こぼれ球を谷口が詰めた。丸井はこのプレーで足を吊らせて途中交代となったが、この日は3得点に関わった。「ボールが左サイドにあって、あまりボールに関われていなかったんですけど、相手が(左に)寄っていたので、クロスにしっかり折り返しから得点に絡めたので良かった」と笑顔を見せた。

まずは1点を返したい朝霞は31分、MF吉田純太(3年)主将のクロスから途中出場のMF片平愛渡(2年)のシュートがポストを叩き、35分には吉田の直接ゴールを狙ったインスイングのCKのこぼれをFW堂口叶翔(3年)のダイレクトシュートが今度はクロスバーを強襲した。

38分にはFW吉田一心(3年)のポストプレーからCB徳永凌大(3年)が最前線まで侵入してゴールを狙ったが、決めきることができなかった。浦和東は終了間際の40分、FW石田匠(3年)が右足で強烈なシュート。GKが弾いたこぼれ球を金が詰めて4-0とし、初戦を飾った。

平尾信之監督は3点目を取るまでに時間がかかった攻撃のことを課題に挙げながら「ただ、ヘディングとか、球際とか、切り替えとか、そういううちが大切にしているところは出せたかなと思います」とし、永田主将も「チームとしてはファーストの競り合いとセカンドの回収で相手を圧倒できて、そこで相手を押し込むことができたので、そこが良かったなと思います」と振り返る。

戦術的な部分よりも、心の持ち方、チームとしての持って行き方、またサッカーの面では止める、蹴る、ヘディングするなど、再度基本的なことを徹底。「じゃあどうやってヘディングするのか、どこにどういうキックを蹴るのか。そういうのが最後、点に繋がるっていうところで、ちゃんとクロスを上げる、ヘディングをしっかり決める」(監督)ことを体現し、ゴールに結びつけた。

2回戦は総体予選8強の川口市立とのカード。今季はすでにS2リーグで2度対戦し、前期は浦和東が2-1で勝利、直近で行われた後期は0-1で敗れ1勝1敗の五分としている。指揮官は「もうみんなで1つになって頑張るだけ。それがウラトンだと思います」。永田主将は「しっかり全員で良い入りをして、1-0でもいいので、しっかりウラトンらしく勝ちたい」と意気込み。2年連続のスタジアム進出を目指し、「ウラトンらしく」戦いながらトーナメントを勝ち上がる。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和東 4-0 朝霞
2(前半)0
2(後半)0