[女子選手権]2年生FW宍戸が終盤に決勝点! 花咲徳栄が川口市立を1-0で下し決勝へ。7年ぶり全国目指す

令和7年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会準決勝が4日に行われ、花咲徳栄と川口市立が対戦。花咲徳栄がFW宍戸凛花(3年)の決勝ゴールで1-0で勝利し、決勝進出を果たした。

両チームは今季2度対戦し、新人戦では川口市立が1-0で、総体予選では1-1からのPK戦の末に花咲徳栄が勝利と1勝1敗。いずれも接戦で、この日の試合も1点を争う展開となった。

前年のファイナリスト、川口市立は序盤、競り合いやセカンドボールの部分で優位に立ち、相手を押し込む。攻撃ではセットプレーやスピードのある右サイドのMF原葵子(3年)を走らせ、昨年の国スポにも出場した10番のMF宮島加奈絵(3年)がフィニッシュを狙う形を目指す。

花咲徳栄は立ち上がり、相手の縦パスや空中戦で主導権を握り切れない時間もあったが、MF米彩寧(2年)が競り合いの強さを発揮し、セカンドボールの回収や後ろ向きのボールを失わず、前向きの選手につけながらチャンス。また、得点力のあるMF宍戸凛花(2年)らが裏を狙う。

花咲徳栄は25分、CB土肥七々莉(3年)がボールカットからドリブルで前線へ運びだし。エリア右側で相手DFと入れ替わった宍戸が決定機を迎え、29分にも宍戸の強力なミドルシュートが枠を捉えたが、いずれも川口市立の守護神・吉田亜未(3年)がファインセーブで防いだ。

後半も花咲徳栄は宍戸が攻撃の鍵に。11分、スローインのこぼれ球に果敢に足を振り抜き、20分には宍戸のクロスから10番MF柾谷雫(2年)が決定機を迎えた。一方、川口市立も吉田やDF星春那(3年)主将を中心に全員が集中力を切らさずにカバーしあってゴールは許さない。

その中で試合が動いたのは終盤の34分だ。花咲徳栄はFW吉谷地世菜(1年)がゴール前にクロスを入れると、ゴールエリア内のルーズボールに対し相手の対応が一瞬緩慢になったところを宍戸が後ろから刈り取り。ボールを奪うと、鋭い反転から右足でゴールネットを揺らした。これが決勝点となり、花咲徳栄が1-0で勝利。選手権では2大会ぶりのファイナル進出を決めた。

宍戸は準々決勝の埼玉栄戦で、鋭い突破で何度もサイドを抉り、最多6本のシュート。一方で「決めきれなかったのは悔しい」と話していた。「前回決められなかったので、今回は絶対、もう「決めてやる!」っていう気持ちで試合に入りました」。その想いを結実させた決勝ゴールとなった。

花咲徳栄が前回全国に出場したのは2019年。ちふれASエルフェン埼玉DF大沼歩加、デンマークでプレーする渡邉莉沙子らを擁したチームは関東を勝ちあがり、全国でも8強に進出した。

女子はレギュレーションが変わり、昨年から県代表が全国切符を獲得できるシステムに。7年ぶりの全国を懸けた決勝は昌平とのカードとなった。総体予選でもファイナルで当たり、後半にPKを奪われ0-1の敗戦。末貴光監督は「本当にどこからでも攻めてこられる良いチーム。川口とはまた違ったスタイルなので、それに対応しながら粘り強いサッカーをしたい」「王者に喰いつけるように。絶対王者になりつつあるので、少しでも抵抗できれば」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口市立 0-1 花咲徳栄
0(前半)0
0(後半)1