[学総]さいたま本太中、川越南古谷中を振り切り8強入り。市予選含めて初失点もセットプレーから星野が勝ち越し弾

25日、令和7年度学校総合体育大会3回戦がRHF駒場グラウンド他で行われ、さいたま本太中と川越南古谷中が対戦。終盤までもつれた一戦は2-1で本太中が制し、準々決勝進出を決めた。

本太中は前半4分、センターサークル付近でボールを持った10番のFW内山瑛太(3年)主将がドリブルを開始。「冷静にいつもやっていることを出せたかなと思います」という内山はそのままエリア手前まで持ち出すと、GKの立ち位置を見て冷静にファーに流して幸先良く先制した。

一方、南古谷中も7分、10番FW前田翔磨(3年)がゴール前の混戦でニア上を打ち抜いてゲット。すぐさま同点に追いつく。その後も南古谷中は前田を起点とした攻撃で決定機を作った。

本太中は今大会、市予選から含めて8戦目で初の失点。「自分たちは1点取った後に追いつかれたことがなかったので苦しかったです」(内山)。今大会初めての失点が重くのしかかり、なかなかラインを上げられず、中盤が間延びし、そこでなかなかセカンドボールを拾えずに苦しんだ。

その中でもディフェンスラインではDF成田良汰、DF草野史穏(ともに3年)のCBコンビが粘り強く対応しブロック。最後方では守護神の太田隼磨(3年)がハイボールで安定感を見せた。

負傷したDF鵜飼英(3年)に代わり後半は内山が右SBに。落ち着きを取り戻した本太中が押し込む時間を作ったが、南古谷中も次の失点を防ぐべく集中した守備。拮抗した時間が続いた。

その中で本太中は25分、FW西野心埜(3年)の右CKに前半もポイントとなっていた草野が点で合わせてヘディングシュート。これはキーパーに弾かれたが、そのこぼれにいち早く反応したのがDF星野恕(3年)だ。練習試合でも得点力も見せていた左SBは「やっぱり自分が点を取りたかったので」と右足でプッシュして勝ち越しゴール。そしてこれが決勝ゴールとなった。

本太中は先月、強豪揃いのさいたま市大会を制覇。「さいたま市のチャンピオンっていう誇りを持ちながら、そのプライドを傷つけないようにやってきました」と内山主将もいうようにこの1ヶ月は自覚を持ってプレーしてきた。県初戦となった2回戦の杉戸中戦は「思った以上に子供たちが手応えを感じてやれた」(田中秀幸監督)という中で3-0完勝。一方でこの日は得意の走力の部分で走りきれず苦戦した部分もあったが、その中でもしっかり勝ちきっての8強入りだ。

市大会制覇からの今日に「もう本当に夢のような感じ」とも話していた内山主将は、「自分たちは常勝軍団ではないので、1つ1つをしっかり勝って、次へ次へ行きたいと思います」と意気込み。しっかりと地に足をつけてひとつずつ着実に歩みを進めながら、夢の続きを更新していく。

石黒登(取材・文)

試合結果

さいたま本太中 2-1 川越南古谷中
1(前半)1
1(後半)0