[学総]和光大和中が強敵・新座二中を下し“初”の県大会切符! 甲斐主将「ここまで来たので行けるところまで行きたい」
令和7年度朝霞地区学校総合体育大会の最終日が6月24日に行われ、準決勝では和光大和中が1-1からのPK戦の末に強敵・新座第二中に勝利。“初”となる県大会出場切符を掴み取った。
「技術的にはもう新座二中さんの方が全然上。うちが唯一勝てるのはスピードとかフィジカル面。抜かれてもいいからヘディングだけはとか、抜かれてもいいからもう一回プレスバックするとか、そういう自分たちの強みをとにかく発揮しろと言って送り出しました」(荻原亮輔監督)
技術で上回る新座第二中に対し、和光大和中は相手のストロングをしっかりと落とし込みつつ、武器であるスピードやフィジカル面を生かして2度追い、3度追い。楔のパスに対してはFW小石理音、10番MF福山敦仁、MF甲斐蒼士主将の3枚がついていって楽にプレーさせなかった。
その中で前半10分、ロングスローからのゴール前の混戦で「今日は緩急をつけたドリブルを意識していた」と話す福山が未収地帯を細かいタッチで切り抜け、右足で流し込んで先制した。
一方、前半は相手の追い回しやロングボールに少し苦戦した感もあった新座第二中も後半に入り、攻撃面でリズム。8分にはFW大室佑斗が、FW前岡龍之介が抜け出して連続して決定機を作る。17分には実力派の左SB牛島駿太主将がサイドを抉ってクロスからチャンスメイクした。
すると新座第二中は21分、MF山内達矢を起点とした攻撃で前岡の右クロスから大室がシュート。これは相手DFにブロックされたが、こぼれ球をMF清水遼央が決めて同点に追いつく。
和光大和中としては苦しい展開になると思われたが、「追いつかれた時に、相手の押せ押せを逆にうちがまたやり返すことができた。そこで諦めないで、前からとにかく追えたのが良かったと思います」と指揮官が話すように、そこで切れることなく逆に押し返す場面も。主将の甲斐は「チームで行こうみたいな感じで、全員が前を向いてくれた」と話す。新座第二中は延長後半3分にGK石塚友翔からGK花井柊太朗にカードを切った中で勝負の行方はPK戦にもつれ込んだ。
PK戦は両GKが奮闘。和光大和中は相手の後攻3本目のキックGK岡島大空翔が止めて先行を奪うが、直後の4本目では逆に花井がストップしてみせた。それでも「外した人が幼稚園からの友達だったので、俺が止めてやるって」と友人の想いも背負ってゴールマウスに立った岡島が左に飛んで連続ストップ。和光大和中は5人目の小石がしっかりと沈めて激戦を締めくくった。
同校で7年目を迎えた荻原監督も「多分行ったことないんじゃないですかね」と話す、“初”の県大会出場に甲斐は「チーム一丸となって、もう県大会だけ目指してきたので、その力が発揮できて良かったです」。対戦相手の新座第二中は1年生大会決勝で敗れ、昨年の新人戦地区準決勝でも1-2で敗れた相手。今大会のシード決めとなったスプリングカップで初勝利したが、福山は「スプリングカップでは勝ったんですけど、同じようにはいかないなと思った。上からではなくチャレンジャー精神で挑みました」というように緩むことなく臨み、強敵撃破で歴史を動かした。
甲斐主将は「ここまで来たので行けるところまで行きたい」。また、岡島は「先生たちも初めてこの大和中で県大会に行けるので、やっぱり先生たちのためにも関東まで行ってもう一個思い出を作りたいです」と3年間お世話になってきた先生たちの想いも背負って夏の大一番に臨む。
石黒登(取材・文)
試合結果
和光大和中 1(4PK2)1 新座第二中
1(前半)0
0(後半)1
0(延前)0
0(延後)0
4(PK)2