[総体]成徳深谷、聖望学園に逆転勝ちで4強!関東大会でも経験した「1点ビハインド」の展開「うまく流れを持っていけた」

令和7年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会準々決勝が8日に昌平高会場ほかで行われ、関東予選覇者の成徳深谷と聖望学園が対戦。成徳深谷が2-1で勝利し、準決勝に進出した。

先行したのは聖望学園だった。前半25分、MF沖田拓(3年)の左CKからMF高本創司(2年)がヘディングで沈め先制。押し込まれる中でこの試合のファーストチャンスを得点に繋げた。

成徳深谷は8分、MF吉田佑樹(3年)が決定機を迎えたが、聖望学園GK竹川凌平(1年)に阻まれた。その後も多くの時間帯を敵陣でプレーし、DF山谷康太朗(3年)のロングスローやMF松尾泰希(2年)のキックなど、自慢のセットプレーから力強くゴールに迫ろうと試みる。

ATの41分にはFW川上稜介(3年)がエリア左から右足を振り抜いたが、決めきれなかった。

両チームは中断前の5月18日のS1リーグ戦でも対戦し、成徳深谷がセットプレー絡みの2ゴールを含む4-0と快勝。その中で「相当相手は警戒していましたよね」と為谷洋介監督は話す。

聖望学園は相手の武器であるセットプレーに集中して対応し、成徳深谷の188cmの長身FW頓宮琥太郎(3年)に対してもエアバトラーのCB八尋裕有(2年)が跳ね返し。最後尾では敵将も「大したもの」と話した聖望学園中出身のルーキー、竹川が落ち着いたプレーで立ち塞がった。

成徳深谷はHT明けに3枚替え。タメの作れるFW関根大和(3年)、MF鯨井遙翔(3年)を投入し、MF堀口凜(3年)をアンカーに入れて、MF朝烏真大(3年)主将を本来の前に。後半開始直後には鯨井のFKからDF佐々木亮(3年)がヘディングでゴールに迫っていった。

再開後はより前線の圧を強めていくと、12分、自陣からのFKでGK本田一郎(3年)が相手ゴール前に蹴り込み、エースFWの川上が右足でサイドネットに突き刺して同点に追いついた。

聖望学園は26分、前半も鋭い突破を見せていた10番のMF田中翼(3年)が左サイドを突破し、クロスから沖田が強烈なシュートを見舞ったがこれはキーパーの正面に。成徳深谷は34分、吉田がドリブルで切り込んで狙ったが、ここも竹川がファインセーブでゴールは許さなかった。

それでも成徳深谷は40+2分、ゴール前で吉田、堀口と連続してシュートを放つと、堀口のシュートが相手DFの手に当たりペナルティキックを獲得。これをDF横山大平(3年)がゴール右隅に突き刺して劇的な逆転ゴールを奪った成徳深谷が2-1で接戦を制し、4強に進出した。

7年ぶりにAグループで臨んだ関東大会では準決勝で第一学院に先行されると、頓宮のゴールで同点に追いついたが、再び引き離され敗戦。横山は「1点ビハインドという形は自分たちでも意識してやっていたところ。うまく流れを持っていって逆転できたので良かったです」と話した。

これで関東ではたどり着けなかったNack5スタジアムに到達。準決勝の西武台は昨年、選手権予選3回戦で対戦し、0-2で敗れた相手だ。横山は「西武台は去年負けている相手でもあって、関東でもナックを経験できなかった。自分たちはここで、ナックで去年負けている相手にリベンジして、そこから全国を狙っていきたい」。2つの壁を乗り越えて、初の全国へ弾みをつける。

石黒登(取材・文)

試合結果

成徳深谷 2-1 聖望学園
0(前半)1
2(後半)0