[関東大会]武南、帝京第三を下しBグループ制覇! 寝食をともにしながら成長した3日間、2大会ぶりの夏の全国を目指す総体予選へ弾み

令和7年度関東高校サッカー大会は26日に決勝が行われ、武南は1-0で帝京第三(山梨県)を下し、Bグループ(都県2位)を制覇。大会規定により、全体の3位でフィニッシュした。

ここ2戦、天然芝でのプレーにやや苦戦した武南だが、この日は相手のプレスをうまく剥がしながら裏を使うプレーや斜めへの動き出しも増加。パスを連続して繋ぎながら相手を攻め込んだ。

また、システムも普段の4-2-3-1から4-1-4-1に変更。MF平野琉斗(3年)主将とMF田中理月(3年)がシャドーの位置に入り、攻撃の後の回収を早くして連続攻撃。ミドルシュートなども交えつつFW塚田恵斗(2年)やMF渡辺悠(2年)がゴールに迫っていった。

34分には相手に抜け出される場面もあったが、初戦の佐野日大(栃木県)戦でも好セーブを見せていた守護神の金昶銖(2年)がしっかりと構えながら1対1をストップ。ピンチを救った。

その中で武南は前半終了間際の39分、「塚田くんと目が合って、絶対にパスが来ると思った」と塚田のスルーパスに抜け出した渡辺が冷静に右足で沈めて、2試合連続のゴールで先制した。

後半も開始から武南が攻め、1分には渡辺のクロスから田中が決定機。20分には渡辺の落としからMF八百川尚輝(2年)のシュートが枠を捉えたが、いずれも相手GKの好守に阻まれた。28分、32分にはMF小山一絆(2年)がミドルで狙っていったが、惜しくも枠を捉えなかった。

42分には八百川の左クロスにMF関口海龍(3年)がフリーで抜け出したが、決めきれず。終盤には途中出場の189cm長身FW千葉龍之介(3年)が連続して決定機を迎え、43分にはMF柴田流偉(3年)のクロスをボレーで狙うも、またしても相手GKの好守に遭い、44分にも縦パスに抜け出し右足シュートを放ったが、決められなかった。それでも前半の1点を生かした武南が1-0で勝利し、地元開催の関東大会でBグループ制覇、関東3位という結果で締めた。

相手GKの奮闘もあり、この日も16本のシュートを放ちながら1点と決定力の部分は大会を通して課題となったが、その中でも「パワーで来られたり、飛ばしてきたり、フィジカルのところを、こっちはうまく脱力感で外れたり、潜れたりするっていうことをブレずにやってきて、そこはできた。前半は特にワンサイドでゲームできたかなと思います」と内野慎一郎監督は振り返る。

また、選手たちが口を揃えたのが無失点の部分。西武台との新人戦決勝や県予選でも失点が続いていた中で渡辺は「そこは本当にでかい。次のインターハイにも繋がると思います」と話す。

「チームのために貢献したり、走ってチームに還元できるところが自分の良さ」という塚田が起点となり、前から連動して守備。DF小田村直澄(3年)とともに最終ラインを支えたDF倉本健二(3年)は「ディフェンスラインでずっとコミュニケーションを取りながらできた」と語る。今大会は2回戦で失点があったが、3試合でこの1失点のみと守備面で大きな改善が見られた。

また、今大会は宿舎で寝食をともにしながら、3日間を経験できたのも大きかったと指揮官はいう。平野は「チームとしては本当に声が増えたなって。いままで声を出さなかった選手も全員のために声を出してくれて、そこは本当に成長したかなと思います」とチームの変化を語っていた。

順調に勝ち進めば、次にNack5スタジアム大宮に帰ってくるのは総体予選の準決勝となる。平野主将は「本当にインターハイは厳しい戦いになると思うんですけど、やっぱりここにもう一回戻ってきて、優勝するのがチーム全員の目標として統一されているので、本当にそこは負けられないです」と意気込み。2大会ぶりの夏の全国を目指し、まずは一戦一戦を勝ち上がる。

石黒登(取材・文)

試合結果

武南 1-0 帝京第三
1(前半)0
0(後半)0