[関東大会]成徳深谷、浦和南を振り切り2年連続の関東切符! 攻守でセットプレーがキーに、対策生きる。決勝は武南OB指導者対決に

令和7年度関東高校サッカー大会埼玉県予選は27日に浦和駒場スタジアムで準決勝が行われ、昨年大会準優勝の成徳深谷は3-1で浦和南を振り切り、2年連続となる本大会行きを決めた。

この日もやはりセットプレーが鍵を握った。成徳深谷は前半5分、DF山谷康太朗(3年)のロングスローをDF菅井陽斗(3年)が反らすと、こぼれ球を準々決勝の西武文理戦は出場停止で不在だったDF佐々木亮(3年)が右足ボレーでサイドネットに突き刺して先制点を奪った。

さらに7分にはFW川上稜介(2年)がドリブルでペナルティエリア内に侵入し、相手DFを剥がしてシュート。これはキーパーに阻まれたが、こぼれ球を拾った10番MF白川成夢(3年)は「相手の間を、コースを狙いました」と右足コントロールシュートで突き刺し、追加点とした。

33分には再びセットプレーから得点。MF松尾泰希(2年)の右CKからニアサイドでDF横山大平(3年)がヘディングで流し込んで3点目。これには為谷洋介監督も「出来すぎなぐらいの感じでしたね。勝負が決まるとしたらロースコアだなと思っていたので」と驚きを隠さなかった。

なんとか状況を打開したい浦和南は36分、前回対戦となった新人戦2回戦で決勝ゴールをマークしたMF八木航汰(3年)を投入。するとこの交代がハマり、後半4分、得点源のMF坂斉佑太(3年)の左CKからニアサイドに入った八木がヘディングですらし、ゴールに流し込んだ。

ここから一気にゲームは浦和南サイドに傾いていく。圧力を持って相手陣に押し込みながら、CKやスローインを獲得。特にDF稲垣嶺(3年)の必殺のロングスローは脅威となっていた。

左右から再三にわたって何度も、何度も投げ込まれるロングスローに対し、成徳深谷は苦しい時間が続いたが、「こういう試合になるのはわかっていたので、そういう意味では跳ね返しの佐々木がいたっていうのは結構よかったと思う」(監督)という佐々木や横山、山谷、GK本田一朗(3年)がゴールを死守。また、西武文理戦で決勝ゴールとなる先制点を記録した188cmの長身FW頓宮琥太郎(3年)がセットプレーの守備や跳ね返したボールをキープする役を担った。

「キーパーも含め、全員でゴールラインを割らないように、最後までマークして守ることをチームとして意識できたと思います」とMF朝烏真大(3年)主将。この点差を守り切った成徳深谷が3-1で勝利し、浦和南に新人戦のリベンジ。昨年に続き、まずは関東大会出場を確定させた。

攻撃はもちろん、守備においてもセットプレーがポイントとなったゲーム。西武文理もロングスローを投げてくる中で「南高もそれに輪をかけて、ちょっと小細工もありながら来るので。例えばブロックを入れて入ってくるとか、そういうのはすごく長けているチームなので、そういう対策も映像を見ながら分析してやってきたところだった」(監督)。練習では「今日の南高の3番(稲垣)くらい投げる」という2年生のロングスローワーを立てて対策してきたことが生きた。

決勝は内野慎一郎監督との武南OB対決に。現行で最後となる関東大会は今年、埼玉での開催となるが、両監督が武南で3年次に優勝した関東大会も埼玉開催だった。「なんか特別な想いがありますよね」と話し、そんな母校との初の決勝対決に思いを馳せながら、指揮官は「まずは第1代表で行きたいっていう想いはある。去年は準優勝で2位グループの方で出場したので、なんとかAグループの方で最後の関東大会で良い結果で終われるように頑張っていきたい」とした。

朝烏主将は「武南はやっぱり足下があって、パス回しがうまくて、今年はやっぱり攻撃力が強いと思うので、どれだけ耐えて、そこから自分たちのペースに繋げていくかが大切。まずは守備のベースの部分で負けないで、そこから攻撃で自分たちのストロングを出せるようにしていきたいです」と意気込んだ。強敵撃破で7年ぶりとなる埼玉の頂点に立ち、関東本大会に乗り込む。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和南 1-3 成徳深谷
0(前半)3
1(後半)0