[関東大会]武南、聖望学園に快勝で2年ぶりの本大会へ!守備は反省も「攻撃の面では面白いと思います」。準決勝で圧巻の7発
令和7年度関東高校サッカー大会埼玉県予選は27日に浦和駒場スタジアムで準決勝が行われ、新人戦準優勝の武南は聖望学園を7-2で下し、2年ぶりの決勝進出&関東大会行きを決めた。
武南は前半4分、CB倉本健二(3年)のフィードに抜け出したFW塚田恵斗(2年)の今大会初ゴールで先制した。一方、初の関東大会を狙う聖望学園も10分、逆襲から左SB森谷柊色(3年)のクロスをMF沖田拓(3年)が2試合連続弾となるゴールで沈めてすぐ同点に追いつく。
それでもここから武南がペースアップ。16分、右SB津山琥(3年)がMF八百川尚輝(2年)にボールを預け、追い越していく動き。前で塚田が収めたと入れ替わると右足で沈めて勝ち越す。
24分に怪我明けで左SBに入った滝沢大輔(3年)が左足首を痛め退くアクシデントがあったが、新人戦でも配置を入れ替えつつ複数ポジションを担っていた選手たちはこの場面でもしっかり対応する。27分には左SHに移った八百川を起点にMF小山一絆(2年)が繋げると、注目ドリブラーのMF渡辺悠(2年)が深くを抉ってクロス。これを塚田が左足で奪ってみせた。
35分には八百川の抜け出しから獲得したペナルティキックを10番のMF有川達琉(3年)が落ち着いてキーパーのタイミングを外してゲット。38分にはMF田中理月(3年)がドリブルで持ち込み、最後はキーパーを交わして右足で流し込んで、前半だけで圧巻の5ゴールを奪った。
内野慎一郎監督は「トレーニングで意識してきたところっていうのはすごく出てきて攻撃の面では面白いかなと思います」と話す。全体をコンパクトにしながら、サイドにボールが入った瞬間にボランチがポケットを取る動きは意識してやってきた部分。また、新人戦でも話していたように春先にかけては個の技術アップに取り組み。この日は連動に加え、個々の突破力が光った。
後半も武南は6分、有川の絶妙スルーパスから八百川がゴールに迫り、9分には津山がドリブルで切り込んでシュート。一方、このままでは終われない聖望学園も前に出る回数を増やし、25分には10番のMF田中翼(3年)が切り返しからのシュートで狙っていく。その中で聖望学園は31分、FW小比賀渓太(3年)の落としを途中出場のFW前住渚有(2年)が決めて追撃する。
しかし、武南は34分、渡辺が決めると、40+4分にはMF関口海龍(3年)のスルーパスから渡辺がこの日2点目をマーク。7-2と快勝した武南が2年ぶりとなる関東大会切符を掴んだ。
多彩な攻撃から圧巻の7発。「完成度はもっと高くしていきたいですけど、バリエーションとしてはよかったと思います」。一方で指揮官は失点の部分を反省。試合後のミーティングでは檄が飛んだ。得点を取った後、失点をしないというのは春もテーマとしてきた中で準々決勝の川口市立戦ではPKとFKで2失点。初戦の埼玉栄戦も含め、3試合連続で複数失点をしているのは課題だ。
また、内野監督は「俺は試合に出たいんだ。こいつを上回って試合に出て行きたい、レギュラーを取りたい」という雰囲気がもっと出てきてほしいと話す。この1本上、本大会やその先のインターハイ、選手権で勝ち上がっていくためにはスタメンの11人だけではなく、そこを上回っていこうとする全体の力が不可欠。大量点に満足することなく、自分がという強い意志を求めた。
「もちろん代表権を取れたことは嬉しく思います。ただ、やっぱりここを経て、これから成長していきたい。埼玉会場で大いに緊張する中で、代表として誇りを持って、自信を持ってできるようなチームを作っていきたい」(監督)。この日2得点の塚田も「関東大会を決めたからとか、関東大会に出ることが一番の目標じゃないので。これから自分たちがレベルアップしたり、インターハイとか選手権で全国を目指すためには、やっぱりこういうところからもっと貪欲に、勝つことにもこだわるし、内容にこだわっていく」と意気込み。決勝や本大会も含めて成長の場とする。
石黒登(取材・文)
試合結果
武南 7-2 聖望学園
5(前半)1
2(後半)1