[関東大会]「みんなで勝って笑顔で」。シンプルに勝利を目指した浦和東が川越東を振り切り、今季公式戦初白星! 試合後には待ちに待った勝ちロコも
令和7年度関東高校サッカー大会埼玉県予選は19日に1回戦が行われ、浦和東と川越東が対戦。浦和東が1-1の後半、FW金響生(3年)の2得点で3-1と振り切り、2回戦に進出した。
「みんなで勝って笑顔で帰ろう」。シンプルにただ勝利を目指した浦和東が今季公式戦初勝利。浦和東は前半26分、左SB佐々木佑輝(3年)のロングパスに抜け出したMF水野漣人(2年)がドリブルでエリア内に侵入し、体勢を崩しながらも左足で流し込んで先にゲームを動かした。
一方、2大会ぶりの関東予選で「しっかりと1勝、2勝積み上げられるように」とFW与那覇尚紀(3年)主将も新人戦の西部支部予選後に意気込みを語っていた川越東もHT明けから動く。
MF山﨑篤樹(3年)、MF臼井晴栄(3年)を後半頭から2枚替え。すると開始1分、ボランチに入った山﨑がMF松井湊(3年)のパスを預かると、中盤のまだ距離のある位置から右足を鋭くスイング。シュートはキーパーの伸ばした手を越えてゴールに突き刺さるゴラッソとなった。
浦和東としては難しい展開になるかと思われたが、直後の5分、エースストライカーが力強く勝ち越し点を引き寄せる。佐々木のロングスローからDF塩谷龍哉(3年)がヘディングで折り返すと、混戦となったところを金がヘディングで決めて値千金弾。さらに10分にはMF藤井慶太(3年)のアシストからまたしても金が右足アウトにかけたシュートで奪い、3-1で勝利した。
今季、浦和東は前年の選手権予選8強で県大会からの出場となった新人戦1回戦で武蔵越生に敗戦。さらに4月に開幕したS2リーグ戦では正智深谷Ⅱ、武南Ⅱに連敗し、南部支部1部を戦うセカンドチームも3節を終えて2分1敗とチームとして公式戦に勝利した経験がなかった。
「公式戦に勝って、みんなで笑顔で帰るっていう経験が今年まだなくて。もうそこだけ。明日のことを考えず、みんなでウラトンらしく精一杯戦って、内容はうまくいかなくても、とにかく今日みんなで1回勝って、笑顔で帰ろうっていうのをテーマにやっていたので良かったです」と平尾信之監督。得点に繋がったセットプレーも全体を通しては課題を残すなど、決して内容的に満足しているわけではないが、チームとしてひとつ勝ちの経験を積めたことに大きな意味がある。
後半の2得点でチームを勝たせた金は「全然勝てなくて。自分がSリーグで点を決められないで勝てなかった試合とかが多くて、やっぱりそこは自分が点を取らないとチームが勝てないということをずっと思っていたので勝てて良かったです」。試合後には応援団とともに待ちに待った今シーズン初の勝ちロコも。「めちゃくちゃ嬉しかったですね」と最高の笑顔を見せた。
新人戦越えを狙うラウンド16はS1の聖望学園が相手だが、指揮官は「多分やってくれると思います」と信頼。「ウラトンっぽく粘り強くやって、聖望がちょっとやだなって思える展開に持って行けるかどうか。今年は公立は結構厳しい年だと思うので、なんとか頑張りたい」。金は「やっぱり守備からしっかりやって、1本のチャンスをしっかり決めきるみたいな、そういうところをやっていきたい」とした。今季初勝利を好循環に変えて、次も「みんなで勝って笑顔で」帰る。
石黒登(取材・文)
試合結果
川越東 1-3 浦和東
0(前半)1
1(後半)2