[女子新人戦]昌平、川口市立に5発快勝で連覇!全国に戻り、勝つための1年がスタート

令和6年度埼玉県高校女子サッカー新人大会の決勝が16日に行われ、昌平と川口市立が激突。昨年の選手権予選と同カードとなったファイナルは昌平が5-0で快勝し、大会連覇を飾った。

昌平はエースFW松井美優(2年)、10番MF鈴木志真子(2年)、MF山田仁菜(2年)主将、MF勝山あゆみ(2年)、MF福島紗羅メヘル(2年)、DF小室瑠花(2年)、DF野片葵生(2年)、GKロブソン莉彩那(2年)の8人が前年の全国選手権に出場した経験値を持った代だ。

今大会は立ち上がりに課題を抱えていたが、この日は前半2分、福島の左CKからDF湯浅仁那(2年)がニアでヘディングで叩き込んで先制。さらにその1分後には、左サイドでMF小澤真由(1年)からボールを預かった福島がクロス性のシュートでゲットし、早々と2点を奪った。

一方、川口市立もGK吉田亜未(2年)、DF星春那(2年)主将、DF沖井彩華(2年)、MF岡崎莉奈(2年)、MF長谷川成美(2年)、MF原葵子(2年)、MF亀井心音(1年)は昨年優勝した総体予選も含め、2大会で県決勝にスタメン出場。また、昨年9月の国民スポーツ大会では埼玉県選抜の10番をつけてプレーした注目MF宮島加奈絵(2年)が中盤でチームの舵を取る。

立ち上がりは押し込みを許したが、10分以降はしっかりとプレスをかけながら相手のパスを限定。また、切り替え早く奪ったボールを味方につけながら前進し、押し返すシーンも多かった。

昌平は川口市立のハイラインやプレスもあり、ラストパスにズレも。その中でも松井が前線から迫力を持ってゴールに迫り、山田がボールの中継点となり、チームの攻撃にリズムを作り出す。

その中で昌平は7分、新チームで10番を背負う鈴木がカットインからの右足シュートをゴール隅に流し込んでチーム3点目を奪取。中盤以降は積極的に選手交代を行い、22分には松井に代わりピッチに立ったFW小河実夢(1年)のアシストから勝山が決めてリードをさらに広げる。31分には途中出場のFW西脇優(2年)が左足のミドルシュートを突き刺してダメを押した。

新チームは昨年の経験値を持った選手が多く、チームの中でも行けるのではというムードもあったというが、決勝までの3試合はなかなか練習でやってきたような形が体現できず。その中で「今週はずっと練習自体もチーム全員で良い雰囲気でもってこれたのがあります」(小室)という決勝戦は、関わりを増やしながらゴールに目指す形を増やし、大量点に繋げた。

一方で森田光哉監督は「課題はまだまだ山積みかなと」と話し、「止める、蹴る、球際とか競り合い、切り替える、本当に些細なところかなと思うんですけど、やっぱりそういうことができないとサッカーになっていかないと思う。戦術どうこうとかグループどうこうじゃなく、個の成長っていうところは必須かなと思います」。「4試合やった中では一番良かったゲームかなと思いますけど、ただ目指しているところを、もうひとつ上のステージを目標にしたときに、やっぱりもっと得点とか、守備のところでやられている部分を修正していかないといけない」とした。

昨年は選手権予選も制し、全国に初出場したが、初戦で秀岳館に0-2で敗戦。後半は相手を押し込むなど、できたことも感じた中で、初めて体感するプレッシャーやスピード感など全国との“差”も感じた大会となった中で、今年は最高峰の関東1部リーグでその差を埋める1年となる。

山田主将は「今年は関東1部になって、クラブチームが多くて、いままでやった中では比べられないくらい強いと思うんですけど、その中でも自分たちがいまやってきていることを出せなかったら意味がないと思う。相手が強い中でもみんなで頑張って、いつもやっていることをいつも通り発揮できれば戦えると思うので、いつも通りのプレーをして、みんなで頑張っていきたいです」と意気込み。再びあの舞台に戻り、そして勝ち上がるために厳しいリーグの中で成長する。

石黒登(取材・文)

試合結果

昌平 5-0 川口市立
2(前半)0
3(後半)0