[高円宮妃杯U-15]浦和レッズLJYは準優勝 準決勝では3連覇狙ったアカデミー福島を撃破…恩師からの「宿題」来季は金メダルを
5大会ぶりの日本一にはあと一歩及ばなかった。高円宮妃杯 JFA第29回全日本U-15女子サッカー選手権大会の決勝が12月27日に行われ、三菱重工浦和レッズレディースジュニアユースはセレッソ大阪ヤンマーガールズU-15と対戦。延長戦の末に3-2で敗れ、準優勝に終わった。
浦和は前半2分、MF片岡菜葉(2年)のパスを起点に右SB宮野咲希(3年)のがクロス。MF増田彩衣里(2年)が落としたボールをFW中原心愛(3年)が左足ループで決めて先制した。
その後も「守備からしっかりと入って、自分たちの攻撃力を出していく」(百武江梨監督)ことを意識しつつ、スピードのある右サイドの増田らを生かしたサイドアタックでチャンスを作る。
「まずはそれこそ背後にボールを配球させないっていう、相手を後ろ向きにさせるっていうところをもう一回徹底するっていうところが一番の狙いだった」(監督)。後半16分には先制点の中原がチームとして1年間意識を持ってやってきた前戦からの守備で高い位置でボールを奪い、左サイドを抉ってマイナスのクロス。これを片岡が決めて今大会5得点目を奪い、突き放した。
しかし、時間の経過とともに少しずつ足が止まり始めると、26分に警戒していた背後のスペースを突かれ失点。終了間際の43分にも再び裏に抜け出され土壇場で同点ゴールを許してしまう。
浦和は延長後半1分、中原のシュートがクロスバーを強襲したが、決めきることができなかった。すると6分、三度相手に背後に抜け出され逆転弾を決められた。浦和は終盤、片岡らが仕掛けたが、ゴールネットを揺らすことができず。2-3で悔しい逆転負けとなったが、百武監督は「練習してやったことを思い切ってやってくれた。疲労もある中でよくやってくれた」と労った。
「すごく気持ちが前向きになったときは最強になっていく、そういう一面があったと思います」。反面、受け身になってしまう部分もあったというが、今大会ではその「最強」の部分を最初から表現。準決勝では3連覇を狙ったJFAアカデミー福島を撃破した。「私は6年間見させてもらって、2度アカデミーさんにPKで負けていた(2023年1回戦、2020年決勝)こともあって、その先輩たちの流した涙の分も取り返すぞっていうことで、選手がよくやってくれたと思います」
この1年で攻撃面も向上。「守備から守備からとは言ってるんですが、守備だけではなくて、やっぱり攻撃のところも中央からっていうのと、サイドからっていうのであったり、あとは個々のアイデアであったり、本当に私自身も見てて面白いなって思うプレーが増えてきたので、そこはこの1年で攻守において成長した部分じゃないかと思います」とチームの成長について語った。
また、百武監督にとっても6年間見守った浦和LJYでの最後の試合に。「ここまで連れてきてもらって、最後私から宿題を残した形になるのかなと。次は金メダルを頑張って取ってくれればいいなっていうふうに思います」とした指揮官は「ここまで来れたのは本当に私のパーセントでいったら1%くらいだと思います。スタッフと選手、あとはそれこそ育成スタッフの人たちにも多く助けられたり、トップの選手たちも普段からサポートしてくれているので、本当にレディース全体でここまで勝ち上がってきたのですごく感謝しています」と周囲のサポートにも感謝した。
「もう来年は間違いなく、この借りを返せる力、(そこに向けて)しっかりやっていくと思いますし、それが私からの宿題です」。決勝は途中出場も含め8人がこの大舞台を経験した。ひとりひとりがこの場で感じたものに取り組み、次は恩師からの宿題である金色のメダルを掴み取る。
石黒登(取材・文)
試合結果
三菱重工浦和レッズレディースジュニアユース 2(延長)3 セレッソ大阪ヤンマーガールズU-15
1(前半)0
1(後半)2
0(延前)0
0(延後)1