[Go For WorldCup]大宮U18は準優勝「最後の局面でどれだけ守れるか」。1年でのプレミア復帰目指す2025年は「競争」しながら成長する

「第18回Go For WorldCup in さいたま」が12月25日から4日間の日程で行われ、ベガルタ仙台ユースが初優勝。県勢では大宮アルディージャU18が準優勝を飾った。得点王には5得点の大宮U18 FW野口蒼流(2年)が、大会MVPには仙台Y MF稲木康太(2年)が選ばれた。

Go For WorldCupはJリーグアカデミー、タウンクラブ、高体連チームが切磋琢磨し、W杯の舞台で活躍する選手を輩出することを理念として2007年にスタート。これまでに原口元気や武藤嘉紀、三笘薫、田中碧ら10選手が育成年代にこの大会を経験し、日本代表に羽ばたいている。

今年も県勢は浦和レッズユース、大宮U18、浦和南、市立浦和、浦和東が参加した中で大宮U18がリーグフェーズを突破し、ノックアウトステージに進出。準決勝ではDF藤原朝日(2年)、MFエドワード真秀(1年)、野口の2得点、MF小坂真聖(1年)の得点で藤枝東に快勝した。

一方で決勝は5失点で敗戦。金澤慎コーチは「良いときはすごい勢いがあって、その勢いを何倍にも増して良くなるんですけど、耐えなきゃいけないときに跳ね返せなかったり、耐えきれないっていうのが、最後の試合、本当によく出たなっていうところで、それが自分たちの課題でもありますし、そこが来年の改善しなきゃいけないポイントでもあるのかなと思います」と話した。

この大会のテーマだった「タフに戦う」「積極的に自分たちがボールを奪いにいく」というところは体現できる時間や回数が増えてきた一方、難しい時間帯でいかに守れるかは課題となった。

試合後のミーティングでは丹野友輔監督から「最後の局面でどれだけ守れるか。その部分はまだ弱い」と指摘も。その中で「プレミアに出たり、ここに出たからといって出られる保証は一切ない。それぐらいレベルが拮抗しているし、みんながフラットな中で自分で掴み取れるか」を求めていた。U-17日本代表DF酒井舜哉(2年)や昨年は中3ながらプレミアでも8試合に出場したU-16日本代表DF熊田佳斗も含め、競い合いながらシーズンまでにレベルアップしていく。

それは攻撃陣も同様だ。昨年はプレミアEASTで全22試合(途中出場含む)に出場した野口は「自分がどんどんリーダーシップを持って、チームを引っ張っていかないといけない」としながら「自分が来年出られるっていう保証はない。しっかりチームで競争しながら頑張っていきたい」と力を込めた。1年でのプレミア復帰を目指す2025年は「競争」がひとつテーマとなりそうだ。

石黒登(取材・文)