[高校女子]右SH起用の稲見が躍動2ゴール! 南稜が秋草学園に6発快勝でベスト4へ
令和6年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会は7日にSFAフットボールセンターで準々決勝が行われ、南稜と秋草学園が激突。南稜がMF稲見杏(3年)の2得点など6-0で勝利した。
南稜は前半2分、MF池上優香(3年)のクロスがファーに流れてきたところを右SHの稲見杏(3年)がランニングボレー。一度はクロスバーに当たったが、跳ね返りを自ら決めて先制した。
チームとしてもこれがファーストシュート。早々の先制点で一気に流れを手繰り寄せると、前半は終始南稜がペースを握った。ボールを繋ぎながら相手コートに押し込んでプレーし、12分にはオウンゴールで加点。さらに27分には「いつもより相手の裏を越すようなボールが蹴れたと思います」と語るCB宍倉さくら(1年)のキックから10番FW高橋咲来夢(2年)が沈めた。
30分には「ファーストタッチがうまくいった」「ペナらへんは得意のゾーン」と話す稲見が右サイドを得意のドリブルで抉ってシュート。ゴール前で混戦になったところをしっかりと詰めてゲットした。34分には途中出場のMF名川朱鞠(1年)が決め、前半で5-0と勝負を決めた。
「シュートを決めたいなと試合の始めから思っていたので、すぐにシュートを決められて良かったかなと思います」(稲見)。この日2得点の前半の主役はもともと1列下が主戦場だが、8月の合宿で新ポジションにトライ。セカンドチームの試合などでやることはあったというものの本格的な挑戦は初めて。その中でも「攻撃はもともと好き」と話し、新たな活躍の場で躍動した。
一方、チームとして初のベスト8に進出した秋草学園は前半なかなか持ち味を出すことができなかったが、後半は良い守備からの切り替えの速い攻撃や大きな展開で徐々に前に出る場面も。GK小宮真琳(2年)の好守もあって後半は無失点で耐えつつ、29分にはMF西村優希(1年)が縦につけ、身体の強さのある10番のFW田原妃奈(3年)が反転から左足でゴールに迫った。
南稜は後半もシュート7本(前半10本)を放ちながら、なかなか決められずに苦しむ部分もあったが、終盤の46分に池上が決めてダメ押し。6-0で完勝し、2大会連続の4強に進出した。
南稜は5月の総体予選準々決勝で、新人戦覇者で優勝候補の最右翼と見られた昌平に対し粘り強く守り、3つのシュートのうち2本をゴールに繋げて撃破。次戦はその昌平との再戦となる。
前回は相手のドリブルコースなどを徹底的に研究。今年の選手たちはそういった勝つための作業を楽しめる子が多いという。今年の夏は国際武道大や十文字大など大学を中心に強度の高い練習試合も積んできた。小椋大監督は「守備もアクティブな守備っていう。プレッシャーをかけにもっと行ける。ボール保持とショートカウンターのハイブリッドでどう攻略できるか」と話す。
守備の要であるCB會田果乃子(3年)主将は「前回も守って守ってだったので、今回もすごいきつい戦いになると思うんですけど、しっかりいままでやってきたこと、相手もレベルアップしていると思うんですけど、自分たちもやってきたことがあるので、しっかり守りながらも自分たちの攻撃もできたら」と意気込み。リベンジに燃える強敵を再度退け、初優勝に向け勢いに乗る。
石黒登(取材・文)
試合結果
秋草学園 0-6 南稜
0(前半)5
0(後半)1