[高校女子]昌平が優勝候補対決を制して準決勝へ!4連覇を狙った花咲徳栄を3-0撃破
令和6年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会は7日にSFAフットボールセンターで準々決勝が行われ、昌平と花咲徳栄が激突。昌平がFW松井美優(2年)の2得点など3-0で制した。
新人大会覇者で関東リーグ2部でも首位を走る昌平と大会4連覇を狙う花咲徳栄の注目対決。花咲徳栄は立ち上がり早々、連続してコーナーキックからゴールに迫ったが、昌平はしっかりと守備。森田光哉監督も「開始0分のコーナーで耐えたのが勝因じゃないですか」と振り返る。
しっかりと耐えると昌平は前半5分、新人戦でも抜群の存在感を示していたMF金澤道(3年)が得意のドリブル突破で魅せる。中盤でボールを受けると緩急のついたドリブルでひとりふたりと交わしてゴール前へ抜け出し、キーパーとの1対1を右足トーキックで沈めて先制した。
昌平はFW松井美優(2年)が抜け出しや迫力のあるドリブルで前進。花咲徳栄も昨年からの主力で今大会は再び攻撃的なポジションでチームを牽引するエースMF井上らら(3年)が抜け出しから狙うが、昌平は「練習で結構そこの部分は意識して取り組んでいた」と話すCB津久井小夏(3年)主将が鹿島DF津久井佳祐譲りの「予測」を活かしたディフェンスでやらせない。
昌平は17分、左WB福島紗羅メヘル(2年)のクロスからニアに飛び込んだMF佐藤李那(3年)のヘッドがわずかに左に。中盤は花咲徳栄にボールを持たれるシーンもあったが、そこを粘り強く凌ぐと30分には金澤が得意のカットインからシュート。ゴール上を捉えたシュートは花咲徳栄の守護神・長谷川実乃里(3年)の好守に阻まれたが、直後に再びネットを揺らした。
34分、スローインから一度、福島に預けた松井は「紗羅からセンタリングが上がってくるのはわかっているので、中に入ってちゃんと合わせられるか。トラップしてシュートを打とうと思っていて、準備ができていた」。エリア内で福島のクロスを受け直し、右足で豪快に突き刺した。
まずは1点を返したい花咲徳栄は後半立ち上がりにも連続して仕掛け。10分には左CKから井上のヘディングが枠を捉えたが、ここは昌平GKロブソン莉彩那(2年)が飛びついて防いだ。
ひとつピンチを凌ぐと昌平は14分、「ここぞの場面でやっぱり相手の攻撃を止めてくれるし、あとは攻撃でもリズムを作ってくれる」と森田監督も影のMVPに推すMF山田仁菜(2年)が冷静に状況を見極めスルーパス。これに抜け出した松井がこの日2点目を奪って勝負を決めた。
花咲徳栄は16分、途中出場のFW柾谷雫(1年)がエリア内で受けて決定機を迎えたが、昌平は津久井が身体を当てつつシュートブロック。終盤、花咲徳栄は右SBの村田叶海(3年)が前線へ。試合を通じて相手の14本を上回る16本のシュートを放ったが、最後までネットを揺らすことができず。昌平が3-0で注目カードを制し、3大会連続となるベスト4進出を果たした。
昌平は今夏、男子が全国制覇。日々、日本一のチームを横で感じながら刺激をもらっている。この日の前日もプレミア再開初戦の前橋育英戦を控えた男子と隣同士で練習。津久井主将は「男子が今年インターハイで優勝して、すごい近くでそういうのを見られるのが一番良い経験ですし、嬉しい。今年は選手権で全国に出て、(女子も)優勝まで行きたいです!」と意気込みを語る。
準決勝の相手は南稜に決定。松井は「インターハイ(準々決勝)で負けてしまっているところなのでやっぱり本当に負けていられない、絶対に負けちゃいけないと思っている」と言葉に力を込める。男子に続くためにも、因縁の相手にリベンジし、まずは2大会連続の決勝進出を決める。
石黒登(取材・文)
試合結果
花咲徳栄 0-3 昌平
0(前半)2
0(後半)1