[高校女子]本庄が浦和東を下し初戦突破 チームに残った3年生が牽引「これが伝統になってくれるといい」

令和6年度埼玉県高校女子サッカー選手権大会は8月27日に2回戦の2日目が行われ、本庄と浦和東が対戦。本庄がFW長井美涼(3年)のハットトリックなどで4-0と勝利を収めた。

本庄は前半11分、「フリーだったのでいまここで蹴れば、シュートを打てれば入るかなと思った」と話すDF原口美優(2年)が中盤からダイレクトでロングシュート。「風が吹いていたので、それに乗せました」というシュートはグングンと伸びながらゴールネットに吸い込まれた。

幸先良く先制するとその後も本庄が主導権を持って攻撃。10番のMF秋山結菜(3年)が中盤でボールを引き出しながら裏へのパスやドリブル、左右への展開とアタックを牽引していた。

今年からサッカー部の中で女子チームが立ち上がり、インターハイ予選に続き、2度目の公式トーナメントで初勝利を目指す浦和東は、浦和レッズレディースJY出身のGK西山凜(2年)やDF古島すみれ(1年)、DF中山夕梨(1年)のCBコンビを中心に粘り強く守って好機を待つ。

その中でも本庄は「やっぱり後輩の橋本が起点となって、アシストやドリブルとかをしてくれてチャンスも生まれた」(秋山)と先輩からの信頼も厚いFW橋本春妃(2年)が前線でチャンスメイク。30分、32分といずれもスルーパスからFW長井美涼(3年)のゴールをアシストした。

後半3分には「3人くらい敵が来ていたんですけど、美涼が呼んでくれてフリーになっているのが見えた」という秋山が複数枚に囲まれても奪われないキープ力を見せて時間を作り、相手ディフェンスの間隙を縫うスルーパス。これに抜け出た長井が右足を振り抜いてネットを揺らした。

長井はこの日ハットトリックの活躍。小中とソフトボール部だったが、高校で同部がなかったことからサッカー部を選択したというFWは「足で勝負したいタイプなので、ワンパスで最後まで決めきれたので良かったです」と持ち味の抜け出しからゴールを重ねチームを勝利に導いた。

保泉康成監督によると例年、3年生は春で引退し、夏の選手権は新チームで臨んでいたというが、昨年、今年は最高学年が残り、チームの中心として牽引してくれたという。今年は秋山、長井、部長のMF市川巴菜乃が残ったが、その選択までには本人たちの中でも葛藤もあったようだ。

秋山は「もうみんな辞めようか、辞めないか、前日くらいまで3人で話し合った」と言う中で、それでも最終的に「やっぱりみんなでまだサッカーしたいっていうのと、最後の試合の悔しさが残っていたので」と決断。保泉監督は「こういのが伝統になってくれるといい」と話していた。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和東 0-4 本庄
0(前半)3
0(後半)1