[学総]西武台新座が川口西を延長戦で制して、2年連続の関東大会出場を決める
令和6年度学校総合体育大会中学校サッカーの部は27日、浦和駒場スタジアムで準決勝2試合が行われた。昨年準優勝の西武台新座中は川口西中を1-0で下し、全国中学校大会の出場権を懸けた関東中学校大会(8月7~9日・NACK5スタジアムほか)出場を決めた。29日の決勝で埼玉栄中と顔を合わせる。
昨年のレギュラーが3人、経験者が4人健在の西武台新座中は、立ち上がりからボールを保持し主導権を握った。左2列目の吉田琉星(3年)が軽やかな持ち運びから何度もチャンスを構築。左SB齋藤勢那(3年)の旺盛な攻め上がりも、相手守備陣には脅威の的となった。
前半24、33分にいずれも吉田が鋭いクロスを配給したが得点には結びつかず、追加タイムにエースFW野村知広(3年)が反転してから放った強シュートもGKの正面を突き、多くの時間帯で攻勢に出たものの、前半はゴールを割れなかった。
3年前の優勝校、川口西中は相手の出足の速さに苦戦し複数の効果的なパスをつなげず、敵の急所を切り裂く展開に持ち込めなかった。シャドーの外岡恵悟やボランチ遠藤颯人(ともに3年)が巧みな技術で戦況打開を試み、もうひとりのシャドー渕上敬弘(3年)はロングスローから活路を見いだそうとした。前半アディショナルタイムに渕上が長距離砲を放ったが、惜しくもバーの上を越えていった。
後半に入っても西武台新座中の優勢は変わらず、9分にCB小暮翔真(3年)が、10分にはボランチ高田尚旺(3年)がいずれも鋭いシュートを打ったがDFのブロックに遭った。この後も右2列目の川幡佑斗(3年)や野村、齋藤らの一撃で守備陣を揺さぶった。川口西中は追加タイム、外岡が遠藤の蹴った右CKをヘッドで合わせたが得点できなかった。
試合は0-0のまま延長戦に突入し、その後半3分に西武台新座中が決勝点を挙げた。
齊藤が左を鋭く突破して最終パス。DFに当たったこぼれ球を野村が遠いポストからニアを破る一打を蹴り込んだ。
通算6点目を挙げたヒーローは「何度かチャンスに外してしまいましたが、勝負を決める最後の1本をものにするのがストライカー。後ろがしっかり守ってくれていたので、絶対に1点取ってやろうと思っていた」と、ひと仕事やり終えた充実した顔付きで答えた。
西武台新座中は創部6年目だが、本格的に強化を始めたのが今の3年生が入学してからだ。創部から指揮を執る西武台高OBでもある山﨑健吾監督は、「体力的に厳しい中でも勝利を目指し、粘り強く戦ってくれました。練習も手を抜かず、人間的にも魅力的な選手ばかりです」とイレブンに温かい視線を送る。
さいたま木崎中との前日の準々決勝で、守備の要人・高野惺太(3年)が不運な退場処分となり、残り55分を10人で戦っていたのだ。主将のMF林良樹(3年)は「みんな疲れていたけど、勝利だけを目指し自分たちのサッカーに自信を持ってやれたのが勝因です。関東大会も勝って全国に行きたい」と初の全国中学校大会出場に思いをはせた。
第89回全国高校選手権で8強入りした経験のある山﨑監督も、「去年の関東では悔しい思いをしたので、リベンジできるようまずは初戦に全力を注ぎたい」と、昨夏の関東大会1回戦負けの雪辱に燃えていた。
河野正(取材・文)
試合結果
西武台新座中 1-0 川口西中
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)0
1(延後)0