令和６年度学校総合体育大会中学校サッカーの部は23日に３回戦を行い、昨年覇者の新座第二中はFW武本祥太郎（３年）の後半AT弾で１－０でさいたま南浦和中を下し、８強入りした。

新人戦準優勝で今年は強豪クラブが名を連ねる県１部リーグを戦う、さいたま南浦和中との注目マッチを制してのベスト８。新座第二中・阿部悠希監督は「100％、120％を出さなきゃ絶対に勝てない相手だった。実力以上の力を発揮してくれた結果かなと思います」と選手たちを讃えた。

立ち上がりからさいたま南浦和中は、今年度の中体連の中でも屈指の実力を誇る10番FW鈴木照世（３年）を中心に攻撃。前半も度々馬力のある単独突破などで持ち上がりゴールに迫った。

それに対し、新座第二中は「（鈴木照は）速いっていうのは知っていたので、人数をかけて、突破されないように、声でコミュニケーションを取ってやろうと話していた」というCB八田啓（３年）を中心に連動した守備。また、その中で良い守備からの良い攻撃も見せる場面もあった。

後半頭にはさいたま南浦和中にビッグチャンス。２分、ロングスローの２次攻撃でMF鈴木皓士（３年）のふんわりとしたクロスから鈴木照が決定機を迎える。それでも新座第二中は守護神の深江奏良（３年）が至近距離の１対１を止めると、こぼれ球を再び鈴木照が狙ったシュートにも素早く起き上がりストップ。指揮官も「深江にはだいぶ救われた。あいつがいなかったら戦えなかったところもあった」と話すように、試合の流れを大きく引き寄せたファインプレーだった。

さいたま南浦和中は10分、高速カウンターから鈴木照がシュートまで持ち込むも、八田がブロック。新座第二中は24分、MF丸田陽斗（３年）が決定機を迎えたが、前半も抜け出しに対し好反応を見せていた、さいたま南浦和中の守護神・島村慎也（３年）がビッグプレーで防いだ。

互いの意地と意地のぶつかりあいは、そのままアディショナルタイムに突入。PK戦も見え始めた33分、ついにスコアが動く。新座第二中はこの時間になってもしっかりとボールを追い続けた丸田陽が繋ぐと、ボールを受けたFW武本祥太郎（３年）は「ここでチャンスを逃したら失点すると思った」。一度相手の重心をずらすと、左足で対角隅に蹴り込み値千金の劇的ゴール。守備面でも八田や深江を中心に相手のエース・鈴木照封じを完遂した新座第二中が激戦を制した。

注目の一戦を制し、大会連覇へまた一歩前進。八田とともに昨年レギュラーとして県優勝を経験し、今年はエースとしてチームを引っ張る丸田陽は「やっぱり自分が引っ張っていかないといけない存在っていうのは理解している。アシストできたのはいいんですけど、やっぱり決めきるところは決めきれないとチーム全員がついてこないかなと思うので、もっと自分で試合を決められる選手になりたい」と意気込み。勝負を決定づける自らのゴールで、またあの高みを目指す。

石黒登（取材・文）

試合結果

さいたま南浦和中　０－１　新座第二中
０（前半）０
０（後半）１