[学総]さいたま春野中が6発快勝でベスト8到達!覚醒のエースFW戸邉大誠が4ゴール
令和6年度学校総合体育大会中学校サッカーの部は23日に3回戦を行い、さいたま春野中はエースFW戸邉大誠(3年)の4得点を含む6-0で狭山山王中に大勝。ベスト8進出を決めた。
攻守によく走り、狙い通りのプレーからゴールラッシュ。さいたま春野中は立ち上がりから狭山山王中の高いラインの裏を狙って積極的に攻撃。オフサイドにかかるシーンもあったが、2列目からの飛び出しやラインと併走しながらなど、変化をつけながら裏に抜け出し、ゴールを重ねた。
前半6分、エリア左でボールを受けた10番の戸邉が振り向きざまに豪快にゴールネットに突き刺し先制。21分には戸邉が自ら獲得したペナルティキックを右足で思い切り蹴り込み加点した。
31分のMF林鷲人(3年)のシュートはクロスバーに嫌われたが、33分にはゴール前に抜け出した戸邉がキーパーと1対1の状況を創出。「前に1回外していたので、絶対に来たら決めないといけないと思っていた」。今度は冷静にキーパーを交わし、無人のネットに流し込んでみせた。
戸邉は前半だけでハットトリックの活躍。前日の2回戦・越谷新栄中戦は終盤までもつれた中で決勝弾を決めたエースストライカーは「あの時は焦っていたんですけど、今回は焦っていなかった。その時の経験が今日は出たかなと思います」と前回の経験が大きな成長に繋がったと話す。
さらに勢いの止まらない10番は後半5分にも、MF矢倉綾人(3年)の仕掛けからのマイナスのクロスを受け、ドリブルで流れながら左足で対角に突き刺して、この日4ゴール目を奪った。
「前半3、4点取って、ベンチの3年生も全員出そうっていうのを最初に話をしていて。後半の15分のところで3点差あればどんどん入れていくから先発メンバーは後半の途中まで全力を出し切ってやってくれと言った中で、先発メンバーが役目を果たしてくれたと思います」(監督)
大量リードを奪うと、終盤にかけてはベンチメンバーも全員がピッチへ。26分にはDF高橋碧(3年)のクロスが直接ネットインし5点目とした。また、30分にはFW坂下優哉(3年)のクロスをDF川野椋晴(2年)がダイレクトシュートで沈めるなど、途中出場組も結果を残した。
なんとか1点を返したい狭山山王中は33分、MF醍醐広大(2年)とのパス交換で抜け出したMF神田響希(2年)が決定機を迎えるも、ここはさいたま春野中GK高橋彪斗(2年)が好守。34分には醍醐がドリブルで進入し、決定的なチャンスを迎えたが、シュートは惜しくも左に外れ、終了のホイッスルが鳴った。6-0と大勝したさいたま春野中がベスト8進出を果たした。
春野中は新人戦でさいたま市2位に入るなど躍進した一方、県大会は1回戦で敗退。「初めての相手に“慣れる”っていうのが一番下手くそだった」(戸邉)。それでもカップ戦などで優勝を重ねながら、勝負感を深めた今大会は昨冬敗れた堀崎公園会場でかつての恩師の前で成長を見せる勝利を飾るなど精神的な強さも発揮。階段を駆け上がってきた大会もついに8強まで到達した。
近年ではベストの成績だが、ここで止まるつもりはない。指揮官も「影の立役者」と話す副将のMF楠元陽海(3年)は「もうここまで来たらあと2勝して、必ず決勝に行って、関東大会まで繋げたい」と意気込み。準々決勝の埼玉栄中戦は守備で鍵を握るであろうDF田邊晴一(3年)は「栄はひとりひとりがうまいんですけど、しっかりと守備で抑えたい」と強敵撃破を誓った。
石黒登(取材・文)
試合結果
狭山山王中 0-6 さいたま春野中
0(前半)3
0(後半)3