[学総]川口西中がプレ大会に続き市制覇!攻撃陣にアクシデントも「勝負所で失点しない」体現、PK戦で戸塚西中を下す

令和6年度学校総合体育大会川口予選決勝が24日に青木町公園で行われ、川口西中と戸塚西中が激突。互いに譲らぬ熱戦はスコアレスからのPK戦の末に川口西中が勝利し、優勝を飾った。

川口西中は注目の2年生FW小松大馳が前日の県トレの練習で股関節を負傷するアクシデント。決勝も開始6分で途中交代となった中で、決して思ったようなゲーム展開ができたわけではなかったが、今季県リーグを戦う選手たちが最後の部分で力強さを見せてタイトルを掴み取った。

両チームは3月に行われたプレ大会「川口カップ」の決勝でも対戦。その時は延長戦の末に小松が決勝ゴールを挙げて川口西中が勝利を収めたが、この試合もやはり1点を争う接戦となった。

川口西中は前線からのプレスを徹底しつつ、奪ったボールを繋げながらFW野澤優緋(2年)やMF渕上敬弘(3年)がゴールに迫る。前半13分に渕上のクロスから10番MF外岡恵吾(3年)が抜け出し決めたゴールは惜しくもオフサイドの判定に。24分には外岡のクロスにゴール前で渕上が詰めたが、ここは戸塚西中GK山下光生(2年)が1対1を好反応を見せて防いだ。

一方、プレ大会のリベンジに燃える戸塚西中は、長身のFW山田侑輝(3年)が前線でひとつポイントを作りながら、MF西岡陸斗(2年)や左サイドのMF折笠丞(3年)が果敢な仕掛け。29分には折笠が左サイドを抉り、ニアに走り込んだ山田がヒールシュートでゴールを狙った。

川口西中は後半から小松が志願し、再びピッチへ。28分にはフリーキックからバックヘッドで狙った。戸塚西中も31分、クロスに走り込んだMF森崎健登(3年)がキーパーとの1対1を迎えたが、川口西中GK稲垣日菜太(3年)がしっかりとセーブしてゴールを許さなかった。

試合はプレ大会に続き、延長戦へ。川口西中は延長後半1分に外岡が連続してビッグチャンス。抜け出しはキーパーに阻止され、その流れでエリア左から放ったシュートがポストをかすめた。

勝負の行方はPK戦に突入。3-3で迎えた後攻・川口西中は5人目のキッカーとなったDF大森幹也(3年)主将がしっかりとネットに蹴り込んで熱戦に終止符を打った。大森は1年生大会で2本、ひとつ上の代の学校総体、新人戦でもPKを失敗していたが、県大会掛けとなった前回の準決勝で中学公式戦で初めて成功。「中学になってから初めてPKを決められて、それで勢いに乗れて、決勝は自信がすごくあったので、結構落ち着いて蹴れました」と笑顔で振り返った。

今季は強豪クラブチームが競う県2部リーグに参戦する中で「たくさん場数を踏んでいる中で勝ち切れないゲームが続いていて、それを勝てるようにっていうのは、自分たちが成長した姿を見せられればいいねという話はずっとしていたので、昨日、今日とPKでともに勝てたことは良かった」と横田純一監督。特に今大会は「勝負所で失点しない。それに尽きるかなと思います」。

準決勝、決勝はPK決着となった中で勝負を決める1点は与えなかった。大森と堅守を築いたDF青木翔成(3年)は「県リーグの失点から学んで、最初に失点しないことを意識してやれば、こうやって勝ちに繋げられるんだなと思いました」と手ごたえも口に。1対1で負けないことを意識しつつ、声を掛け合い、連携しながら抑えられたことは県リーグを戦う中で身に着けた成長だ。

「(県リーグの戦いから持ち帰るものは)大きいです。いろいろなものを経験させてもらって、ナイターゲームもそうですし、35分のリーグ戦が18試合もあるっていうあの長丁場。学校総合とか新人戦はここにピークを持ってくれば一定数勝てるところはあると思うんですけど、1年間を通してっていうところは本当にすごく難しさもあって、すごく勉強になっています」(監督)

3年生は11人と横田監督が見てきた中でも最も少なく、難しい部分もあった中で、逆に少ないからこそできたこともある。「子供たちは再び関東に行くという目標でやっている。当然新人戦で負けているからそんなことをポンッと言える力がいまあるとは思わないですけど、大会を通して伸びていければ本当に可能性はなくはないかなって。もちろん苦しいゲームになると思うんですけど、でも3年生が11人っていう代に、何かそういう奇跡を起こせる気がしないでもないかなと思いながら楽しみに見てます。こんなに少ない代でどういう結末が待っているんだろうって、すごく楽しみ」という学年がこの夏、再び奇跡を起こす可能性は決してゼロじゃない。

石黒登(取材・文)

試合結果

川口西中 0(4PK3)0 戸塚西中
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)0
0(後半)0
4(PK)3