[総体予選]浦和南はセットプレーからの2発で川越東を下す!2点目を奪った2年生MF森田開成は「僕が福島に連れていくんだという想いで」

令和6年度全国高校総体サッカー大会埼玉県大会2回戦が2日に浦和南会場ほかで行われ、浦和南と川越東が激突。浦和南が2-0で勝利し、初戦を飾った。3回戦では埼玉栄と対戦する。

これがトーナメント初戦となった浦和南は前半7分、「ニアを狙おうとしていた」という、レフティの左DF美島薫(3年)の右コーナーキックが直接ゴールインする形でスコアを動かした。

得意のセットプレーから幸先良く先制したが、「インターハイ初戦っていうこともあって、自分自身すごく固かったり、「南高としてやるべきこと」っていうのがちょっと曖昧な部分があった」(西村宗貴)。セカンドボールの回収や「大胆にやる」という部分が足りていなかったと話す。

その中でも浦和南は右MF芦川治奏(3年)がスピードのあるドリブルで持ち出してチャンスメイク。一方、昨年は2回戦で成徳深谷を下し、2年連続の大物食いを狙う川越東もセットプレーからゴールに迫る。後半11分にはフリーキックからの混戦をFW川畑蒼空(3年)がシュートで狙うが、浦和南はDF西村宗貴(3年)主将がブロックに入るなど、ゴールは許さない。

川越東も主将のDF甲斐麟太郎(3年)が最後の部分で足を残し、相手の突破を阻むなど粘りを見せる。勝負を決する次の1点が生まれたのは23分だ。浦和南はDF坂本勇希(3年)のロングスローからの混戦を芦川が繋ぎ、途中出場のMF森田開成(2年)が右足で流し込んだ。

野崎正治監督も「雰囲気を良くしてくれるムードメーカー」と話す2年生は「流れを変えてやるぞという気持ちで入った」という中で相手の攻撃を弾き返しチームにリズム。今季はS1リーグ第2節の昌平Ⅱ戦でもこぼれ球を詰め、チームを勝利に導く貴重な先制弾を奪っており、「こぼれ球を自分が決めるんだっていうのを意識してしっかりゴールに流し込めた」と笑顔を見せた。

2-0とした浦和南が初戦を突破。クリーンシートで抑えた一方で初戦は特有の緊張感もあり、課題も。チームとしては奪った後のボールを1本繋ぐことをテーマにやっているが、この日はそこでのズレも多かった。起点を作られたところもあり、西村は「相手の選手にちょっと収められている部分があったので、そこを試合中に修正できなかったのは悪かった部分」と反省を語った。

昨年は先輩たちが決勝で涙を呑んでおり、今年はそのリベンジも果たしたいところ。中学時代、新座第二中で関東大会を突破したものの、全国中学校サッカー大会は辞退となり悔しい想いを持っている美島は「やっぱり中学で行けなかったので、3年で、最終学年で、今年は全国に行きたいです」。森田は「もう僕が福島に連れていくっていう想いで最初からやっているので、そこは変わらずに自分が引っ張っていくっていう気持ちでやっていきたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和南 2-0 川越東
1(前半)0
1(後半)0