アクシデントも立教新座が粘り強く戦い8強入り!浦和西は16本のシュートもゴールを割れず
関東高校サッカー大会埼玉県予選2回戦が14日に行われ、立教新座と浦和西の一戦は互いに譲らず延長戦の末に立教新座が1-0で制した。立教新座は20日の準々決勝で浦和南と対戦する。
試合を通じて放たれたシュートは立教新座の6本に対し、浦和西は16本。決定機の数でも浦和西が上回ったが、立教新座はバックラインやキーパーが粘り強く戦い、この難局をものにした。
浦和西は球際の強さを活かしつつ、スピード感のあるサイド攻撃やカウンターなど、狙いのある攻撃。序盤は互いにゴールに迫る場面は少なかったが、中盤でボールを引っかけながら迫ると、33分にMF坂田陸(3年)が、さらに40分にも今度はMF上野遙斗(3年)のシュートが右上隅のコースをついたが、いずれも1年次から守護神を務める凌晴斗(3年)が好守で防いだ。
後半も浦和西は坂田が左サイドをドリブルで仕掛け、FW井上裕斗(3年)が連続してゴールに迫る。6分には坂田のアウトサイドのパスから持ち出してのシュートがわずかに枠外に外れた。
立教新座は前半、ボールを繋ぎながらも相手の圧に苦戦。また、試合前にはアクシデントも。先発予定だった守備力のあるMF堀口敦哉(3年)がアップで負傷したことも少なからず響いた。
それでも「自分がその欠けたピースを守備を頑張ることで埋めようというのを意識していました」と急遽ボランチに入った10番のFW粟屋大智(3年)主将を中心にタフに戦いながら相手の球際に対抗。前半から好捕を続けていた凌や1年生ながらいきなり3バックの中央を任された浦和レッズジュニアユース出身のDF戸谷栄心が堂々とプレーしながら無失点で切り抜ける。
すると後ろの頑張りに前線が応える。立教新座は延長前半7分、DF安井悠真(2年)がワンタッチで叩いたボールをFW丹羽晴人(3年)がスルー。これにFW田口翼(2年)が抜け出す。
「後半はロングボールに頼っていて、延長の前の時間に「落ち着いて繋いでいけ」という指示があった。20番(丹羽)がスルーした時に相手の陣形が一気に崩れたのでここなら行けると思った」(田口)。うまく相手の前に入るとエリア内で倒されてペナルティキックを獲得。粟屋のキックはキーパーに阻止されたが、こぼれ球にMF佐々木琥太郎(3年)が詰めて試合を動かした。
攻めるしかない浦和西は延長後半、DF河合慶悟(3年)が連続してロングスローを放り込んだが、立教新座は最後まで集中して守りながらこれを跳ね返し続け、100分に及んだ戦いを制した。
立教新座は昨年S2Bを制し、今季はS1リーグを戦う。前田和伸監督は「去年S2では自分たちが有利なゲームだったんですけど、S1はやっぱりどうしても劣勢になる時間が多い。特に春先からは守備のことを多く言っていて、最後の局面のところでは今日もロングスローも最後あれだけあっても弾けていましたし、最後の最後でやっぱりある程度打たれても少し限定をかければキーパーがしっかりと止めてくれる部分はあるので、本当にそういうところはずっとこだわって、最終的な点を取る、取られるの本質の部分はこだわろうね、というのは春先から言っていたところだったので、ちょっとでもできたんじゃないですかね」と守備陣の奮闘を讃えていた。
石黒登(取材・文)
試合結果
浦和西 0(延長)1 立教新座
0(前半)0
0(後半)0
0(延前)1
0(延後)0