背後を有効に使い後半4発 浦和西が川口市立を下し6年ぶりの支部制覇「もっともっと上を」
令和5年度高校サッカー新人大会・南部支部の決勝が3日に行われ、浦和西と川口市立が激突。浦和西が後半に4ゴールを奪って支部優勝を果たした。両校は10日開幕の県大会に出場する。
今年度からS2(県2部)リーグに昇格する川口市立は準々決勝で同S2勢の浦和東を、準決勝でS1(県1部)勢の浦和学院をいずれも延長戦の末に撃破しての決勝進出。今年は主将の右SB清水厳(2年)や10番MF松田倖(2年)など昨年からの主力がほとんどで勝負の代だ。
前半からボールを持って進め、敵陣深くに侵入。また、そこからのセットプレーで迫る。34分にはサイド攻撃からの猛攻で最後はMF原田琉唯(2年)のシュートが惜しくも枠上に外れた。
それに対し「川口市立さんは本当に厳しい戦いを勝ち抜いてきたので浦和西としてもやはり手強い相手だなという認識で準備してきました」(多田鉄平監督)という浦和西もいままで培ってきたものを発揮して対応する。相手にある一定のところではボールを握らせながらもしっかり取りどころを設定して守備。前述の場面以外は決定的なシーンを許さず、前半を無失点で終えた。
その上で「前半は子供たちがちょっとビビっちゃったのか、リスペクトしてたのかわからないですけど、背後がなくなっていたので、ハーフタイムではもうちょっと背後を取り行こうと」(監督)。後半は背後への意識を徹底。すると7分、「自分は常にオフザボールの動きを意識していて、そこの部分で相手を翻弄していきたい」と話していたFW井上裕斗(2年)がFW内田遥斗(2年)の絶妙なスルーパスに反応。抜け出すと、キーパーとの1対1を冷静に沈めて先制した。
その後も浦和西は各選手が背後への意識を持ち積極的に前へ。まずは同点としたい川口市立は27分、松田がカットインからゴールを狙っていったが、ディフェンスのブロックに阻まれた。
逆に浦和西は28分、MF坂田陸(2年)の左コーナーキックから井上がヘディングで決めてこの日2点目。32分にはMF田口凌(2年)のスルーパスから準決勝、決勝と切り札起用された10番FW加藤徠(1年)が落ち着いて流し込む。38分には田口が中盤からドリブルで持ち出して右サイドへ展開。途中出場のMF上野遙斗(2年)が切り返しから打ち切り、勝負を締めた。
多田監督は「4対0っていうのは本当にスコア上ではかなりうまくいったかなと思っていますし、できすぎた部分もあるんですけど、本当に選手たちがよくやってくれた」と選手を称えた。
支部制覇は2018年以来6年ぶり。強豪揃いの南部を勝ち抜いたことは自信になるが、指揮官が「子供たちにはやっぱりもっともっと上を目指さないといけないという話をしている」というように1年での県リーグ復帰とトーナメントでの躍進を掲げる上でここはスタートライン。内田は「自分たちは南部で終わるようなチームじゃないと思うので、県でももっと勝利を重ねて名を轟かせていくじゃないですけど、浦和西の力を見せていけたら」と県大会での躍進を誓った。
石黒登(取材・文)
試合結果
川口市立 0-4 浦和西
0(前半)0
0(後半)4