聖望学園中が宮原中を振り切る 本格強化一期生が初優勝に王手! 中体連サッカー新人大会

令和5年度中体連サッカー新人体育大会準決勝が10日に行われ、聖望学園中が1-0でさいたま宮原中を下し、初の県タイトルに王手をかけた。14日の決勝はさいたま南浦和中と対戦する。

準々決勝からの連戦に加え、雨でウェットなコンディション。パスサッカーを主とする聖望学園中にとっては思うようなサッカーをできない状況が揃っていた中で前半は個々が力を発揮する。

15分、FW指田風太(2年)主将が抜け出した場面は宮原中GK木野祥之介(2年)が恐れずに前に出てセーブ。20分、22分には10番のMF大島榮心(2年)が連続して決定機を迎えた。

徐々にテンポも上がり始めた中盤過ぎからは「学業でも2年生で一番ですし、サッカーインテリジェンスも高い」(監督)というアンカーの小鷹洸(2年)が長短左右の展開でリズムを作った。

一方、宮原中も今大会無失点の守備で対抗する。後半も前半同様に前線からプレッシングをかけて相手の組み立てを制限。最後の部分では木野がクロスに対して安定感を見せて立ち塞がった。

聖望学園中は相手のプレスに苦しみ、なかなか前にボールを運べない場面も。その状況を改善すべく、前線で起点を作れるFW嶋田圭吾(1年)を後半15分に投入すると、これが奏功した。

23分、聖望学園中は中盤でカットしたボールを小鷹が左サイドに展開。指田が武器の推進力を生かして運ぶと、MF清野雄誠(2年)の落としを「点を決めようと思っていた」と話す嶋田圭が右足で流し込んでこれが決勝点に。1-0で勝利した聖望学園中が初の決勝進出を決めた。

聖望学園中はザスパ草津などでプレーし、現役引退後は同U-18、U-15コーチなど歴任した生方繁監督が2021年に就任。翌2022年から本格的な強化を始め、今年の代はその一期生に当たる。

まだ一期生ではあるが、本気で「全国優勝」を掲げて2年前にスタート。来夏の学校総体でその目標を叶えるために、まずは新人戦で初のタイトルを獲得し、その力があることを示す。指田主将は「良い準備をして、ベストの状態で南浦和に勝てるよう頑張りたい」と意気込みを語った。

石黒登(取材・文)

試合結果

さいたま宮原中 0-1 聖望学園中
0(前半)0
0(後半)1