初戦以来の先発起用、FW神が2得点の活躍!花咲徳栄が3大会連続の関東本大会出場決定
令和5年度高校女子サッカー選手権大会準決勝が16日に鴻巣上谷サッカー場で行われ、3連覇を狙う花咲徳栄は4-0で本庄第一を下し、決勝進出&3大会連続の関東本大会出場を決めた。
花咲徳栄は171cmの長身を誇るFW神渚紗(2年)が1トップとして初戦以来となるスタメン出場。トップ下に10番のFW工藤千愛(3年)、左サイドにMF井上らら(2年)が入った。
すると3戦ぶりの先発起用にFWが応える。前半3分、コーナーキックからこぼれを予測してポジションを取り、左足を伸ばして先制点を奪うと、6分には井上のクロスにニアサイドで触り、逆サイドネットにふわりと沈めた。公式戦初の2得点を奪った神は「立ち上がり早い時間帯で自分が2点取ることができて、チームに良い流れを持ってくることができてよかった」と喜んだ。
一方、本庄第一も押し込まれるシーンが多い中でもFW玉置夢華(1年)が果敢に狙っていく。39分には玉置がディフェンスと入れ替わってエリアに侵入し、クロスからMF駒谷花音(1年)が決定機。これはキーパーの好守に阻まれたが、後半もFW常見梨乃(3年)を起点に攻撃に転じ、アーリークロスからエリア内に複数枚が入るなどして何度かゴール前に迫る場面もあった。
花咲徳栄は中央での競り合いに強い相手に対し、セカンドボールを拾いきれずに苦しむ時間帯も。それでも準々決勝の川口市立戦からチャレンジ&カバーの部分を修正し、試合を通じて大きな破綻は起こさない。DF土肥七々莉、DF白井志帆の守備の1年生コンビも粘り強く対応した。
そして17分、正木の左コーナーキックをファーサイドで井上がヘディングで折り返し、工藤が詰めて2試合連続のゴールで追加点。さらにクーリングブレイク明けの27分には土肥のクロスに途中出場のMF池端春乃(3年)がダイレクトボレーで沈めて4点目とした。守っても終盤もディフェンスリーダーの橋本琴音(3年)を中心に安定した守備を見せ、4-0で勝利した。
3連覇へ王手をかけるとともに、3年連続の関東大会出場権を獲得。末貴光監督は「そこに挑戦できることはやっぱり大事だと思う。彼女たちもとにかくあの場所に戻って、もうあと1勝を取れなかったところの想いは、表には出さないですけど、ひたむきさはあると思うので、もう一回チーム内での競争も含めてこの1ヶ月間で整理して、まだ決勝はありますけど臨みたい」と話す。
2020、21年度は1回戦で敗退。昨年は幕張総合に延長戦の末に勝利したものの、「あと1勝」が届かず涙を呑んだ。MF森田琉佳(3年)は「関東は3年間悔しい想いで終わってしまっている。まずは目の前の試合を一戦一戦戦いながら、1勝して、もうひとつ勝って全国を決めたい」と意気込み。チームで切磋琢磨しながら、2018年度以来遠ざかってしまっている全国出場を目指す。
石黒登(取材・文)
試合結果
花咲徳栄 4-0 本庄第一
2(前半)0
2(後半)0