初戦は4発勝利 部活も勉強も「計画的」に、『埼玉県立御三家』大宮は市浦和に敗れるも目標の選手権2次予選進出への糧に

令和4年度高校サッカー新人大会・南部支部1回戦。大宮は4-1で浦和商業に勝利を収めた。

大宮は前半5分、MF上條蒼波(2年)の右CKをMF楯喜登(1年)がゴール隅に流し込んで先制。30分には左SB古殿隼也(2年)のクロスを中で収めたFW齋藤瑛太(3年)が決めた。

「まずは相手がどう攻めてくるか、それは立ち上がりのところでよく見て判断しなさい」(安元利充監督)と送り出された大宮は、相手の高いディフェンスラインの裏を狙って攻撃を展開。スピードのある齋藤や右SHの10番・長岡凜(2年)が推進力を見せ、ゴールを狙っていった。

一方の浦和実業は37分、MF倉光匠(1年)が思い切ってミドルシュートを狙っていくと、キーパーのファンブルを見逃さず、FW新井己次郎(2年)が決めて1点差とし、試合を折り返す。

それでも大宮は後半23分に齋藤の右CKからCBの竹田勇汰(2年)がダイレクトボレーを決めて追加点。その4分後には齋藤がサイドの高い位置でボールをカットし、クロスをMF大竹航平(1年)が流し込んで勝負を決めた。1年生FWの齋藤はこの日1ゴール2アシストの活躍。「結果は出したいと思っていたので、チームに貢献できて良かった」と言って笑顔を見せた。

部活も、勉強も、全力で頑張る。大宮は浦和、浦和一女と並び、「埼玉県立御三家」と呼ばれる進学校だが、「サッカーも途中で引退しちゃう子はまったくいませんから」と安元監督はいう。

「選手は3年間を見据えて、部活と勉強を両立させるというのはもう最初から言っていますから。もう3年になって勉強しろというのじゃ遅いから、1年生からちゃんと3年間、うまく計画を立ててやりなさいと。その辺はうまく彼らは計画的にやっている。「選手権で2次に行く」というのが彼らが立てた目標なので、そうすると10月まである。そこまで見据えて、きっと計画を立てて勉強していると思います。そういった勉強の面では、もう全然心配はしていないです」

長岡は「みんなで「何点だった?」みたいな、テストの点も競い合ったりしているので、そこは良い流れ、良い雰囲気を勉強に関しても作れているのかなと思います」と話す。齋藤は「やっぱり電車とか、移動時間というのを大事にしていて、今日もしっかり英単語を見ながら来たので、隙間時間をやっていけば、勉強時間は確保できるかなと思っています」と両立のコツを語った。

2回戦で市立浦和に敗れたが、県1部リーグのチームと公式戦で戦えたことはきっと次に繋がってくるはずだ。部活も勉強も「計画的」に、目標の選手権2次予選進出を目指し練習に励む。

石黒登(取材・文)

試合結果

浦和商業 1-4 大宮
1(前半)2
0(後半)2