ラスト10秒の劇的弾! 三條&小泉、両WGがゴール重ねた東松山南中がベスト8に進出
令和4年度新人体育大会・3回戦(8日)。延長戦までもつれ込んだ東松山南中とさいたま与野西中の一戦は、東松山南が3-2で勝利した。東松山南は準々決勝で新座第二中と激突する。
この日最後の試合は劇的な一戦となった。先行したのは東松山南。前半12分、左WGの小泉朗楓(2年)から右WGの三條楓(2年)に一気にサイドを変えると、「あそこはもう何としても入れようと思った」三條がそのままエリア内に前進し、タッチライン際から強引に取り切った。
しかし、与野西はその1分後、10番FW石村奏唯英(2年)がすぐさま取り返し、タイに戻す。
東松山南は15分に三條が再び抜け出したが、シュートはポストに。それでも22分、MF青木元太(2年)の右CKのこぼれ球を小泉が右足のつま先でプッシュして勝ち越し前半を折り返す。
後半は与野西がゲームの流れを握った。同点弾を奪うべく押し込むと、23分には相手のセットプレーを回収し、DF菊川琉樺(2年)の縦パスから高速カウンターを発動。FW高橋一誠(2年)のシュートはゴールとはならなかったが、29分だ。FKから石村のスピードボールをGKが捕球しきれず。こぼれ球をDF後藤壮児郎(2年)が詰めて、土壇場で再び同点に追いついた。
5分ハーフの延長前半が過ぎ、後半も4分を越え5分に差し掛かろうとしていた時、この試合最後の得点が生まれる。右SBの大島仁(2年)のパスに小泉が抜け出してGKと1対1に。背番号37はボールを浮かしてGKを交わすと、最後は無人のゴールに流し込んで勝ち越し弾。そしてそのすぐ後に、試合終了の笛。ラスト10秒で劇的ゴールを決めた東松山南が難戦を制した。
これには笛木隆平監督も「劇的でしたね。まさかこんな展開になるとは思わなかった」と驚きつつ、「でも本当に生徒はよく頑張った。生徒の頑張りが一番だと思います」と選手を讃えた。
この日は両WGの三條と小泉が相手SBの裏を狙い、攻守で躍動。三條が先制点、小泉が決勝弾を含む2ゴールを奪った。指揮官は「ディフェンス面からオフェンス面まで運動量的にかなり厳しい中で、タスクを任せるのはなかなか難しかったんですけど、彼らならちゃんと走ってくれるだろうと信じていた」と話す。小泉は「今回の作戦も前から前からWGから攻めていって、前からプレスをかけて行くということで、疲れるというのはわかってたんですけど、気持ちで無事勝つことができた」、三條は「裏に抜けることは自信がある」という武器を発揮して勝利に貢献した。
笛木監督は吉見中のGKとして学総で準優勝を経験。新任5年目で嬉しい8強入りとなった。「指導者としてここまで来られたことは、子供たちに本当に恵まれているなと思う。自分がではなく、生徒にしっかりと実質性を持ってやってもらって、最後良い形でベスト8も戦えればと思っている。もうこちらはチャレンジャー精神なので、頑張ります」と準々決勝に向けて語った。
石黒登(取材・文)
試合結果
東松山南 3-2 さいたま与野西
2(前半)1
0(後半)1
0(延前)0
1(延後)0