攻の2枚看板が躍動の浦和学院が快勝発進! 鬼門の2回戦突破へ、次戦関東予選V正智深谷戦「五分五分の戦いになる」
第101回全国高校サッカー選手権県予選・1回戦(9日)。浦和学院と和光国際の一戦は5-0で浦和学院が勝利を収めた。浦和学院は15日の2回戦で関東予選覇者・正智深谷と対戦する。
初戦の固さも感じさせず、得点を積み重ねて快勝発進―。浦和学院・村松浩監督は「自分らの戦いを信じて、割とみんなリラックスしてやれていた。その中で良い形で前半先制できて、そこから自分らの流れに引き込んでやれたので、初戦の割には理想的なゲームだった」と振り返る。
試合開始から押し込むと前半18分、MF平瀬優磨(1年)が起点となり、左SBの山岸優飛(3年)がオーバーラップしクロス。これに10番FW上田海輝人(3年)が飛び込んで先制した。
36分には上田が個人でエリアに持ち出し、左足を振り抜いて決めて2点目。その3分後にはFW石川真稀(3年)が目の覚めるような右足ミドルで突き刺した。同会場で行われた第1試合では浦和東に所属する双子の弟、幸稀も決勝ゴールを奪っており、兄弟でのアベック弾となった。
3-0で折り返した後半7分には石川のポストプレーから主将のMF野呂渉(3年)がゲット。その後もメンバーを入れ替えつつ、32分には途中出場のFW森田葵(3年)にも得点が生まれるなど、大量5発をゴールネットに叩き込んだ浦和学院が快勝でまずは選手権初戦を飾った。
一方、初の2次トーナメントに臨んだ和光国際は、浦和学院の強力なアタックを凌ぐために5バックを選択。相手にボールを持たれながらも、しっかりと陣形をコンパクトに保ちながらスライドして対応できていただけに、個の能力で取り切られた前半の失点が痛かった。攻撃では技術の高い10番のFW佐々木雄司(3年)になかなか良い状態でボールを預けることができなかった。
浦和学院は石川、上田の攻撃の2枚看板が強烈な存在感。村松監督も「かなり相手に警戒される場面もありますけど、それを上回る力を出せたのが、勝因といえば勝因かなと思います」と話す。
指揮官の古巣である浦和レッズアカデミー育ちの石川はスピードを特徴とするタイプ。一方、尾間木中出身の上田は高さと強さが持ち味。この日も空中戦ではほとんどの場面で相手を上回り続けた。スピードの石川と高さの上田。陸空両面でポイントを作れるのは今年のストロングだ。
指揮官も「最終学年になり、それぞれがかなり県の中でも、自分の能力を五分以上で表現できるぐらいの力はついてきたなと。今後に繋がれるぐらいのちょっと逸材にと思えるぐらいには、良い成長してくれたんじゃないかなっていう感じですね」と言い、上のカテゴリーでも期待を寄せる。
今夏は遠征などを経て、「自分たちの戦い方というところが少し整理できてきた」という中で再開後の後期リーグ戦ではまさかの6連敗。決して自分たちの戦いができなかったわけではないが、一方でイージーミスでゲームを落とすことが多かった。一発勝負の今大会ではリスキーなプレーは省き、その中でも自分たちのストロングをゲームの中でどう選択していくかということを共有。この試合では相手のカウンターや自分たちのミスからピンチを招く場面は少なかった。
次は指揮官が「鬼門」と語る2回戦だ。昨年は3回戦に進出しているものの、2020年は熊谷工業(0-1●)に、2019年は西武台(0-2●)に敗退と村松監督就任後は1勝2敗。また今年は関東予選、インターハイ予選でいずれも2回戦で敗れており、鬼門と話すのもうなずける。
相手は関東予選覇者の正智深谷。前述のように同大会は敗戦、今季S1リーグ(県1部リーグ)では1分1敗と勝てていないが、苦手意識はない。「ミスなくやれれば、五分五分の戦いになる。絶対勝てるというあれでもないし、絶対に歯が立たないという相手でもない。本当に何とかこの連中を次に、もう1個上に進められるように、来週は頑張らせたい」と村松監督。ミスなく臨み、攻撃では2枚看板が相手の屈強なCBに競り勝ってゴールをこじ開け、鬼門突破を狙う。
石黒登(取材・文)
試合結果
和光国際 0-5 浦和学院
0(前半)3
0(後半)2